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Photoshopド定番チュートリアル

2024.06.18 Tue

【Photoshop】陰影で表現するシンプルなイラスト風グラフィックの作り方

作例制作:マルミヤン 編集:山口優

今回はPhotoshopで写真を切り絵風グラフィックに加工するテクニックを解説します。缶コーヒーのロゴマークやポップアートなどを思い起こさせるグラフィックを手軽に表現できるので、ぜひ活用してみてください。
*本連載はPhotoshopで作る定番グラフィックの制作工程を、一から手順通りに解説するHow to記事です。

■使用する機能「被写体を選択」「なげなわツール」「スマートオブジェクト」「ぼかし(ガウス)」「2階調化」「カラーオーバーレイ」

Photoshop で写真を切り絵風グラフィックに加工する: 
1.元となる写真を配置して被写体のみ切り抜く

まずは新規ファイルを[幅:1200ピクセル]、[高さ:1300ピクセル]、[解像度:350ピクセル/インチ]で作成したら、元となる写真素材を用意して配置する(図1)

図1

レイヤーパネルで元写真のレイヤーを選択したら、選択範囲メニュー→“被写体を選択”を実行して被写体の輪郭に沿って選択範囲を作成(図2)

図2。被写体の輪郭に沿って選択範囲を作成する

続いて、なげなわツールを選び、オプションバーで[選択範囲に追加]や[現在の選択範囲から一部削除]に設定して(図3)、うまく選択できていない部分を微調整する(図4)(図5)

図3。選択範囲の状態に合わせ、オプションバーで[選択範囲に追加]や[現在の選択範囲から一部削除]に設定しておく
図4。選択範囲を微調整する前
図5。選択範囲を微調整した後。うまく選択できていない部分を修正しておく

この選択部分をコピー&ペーストしたあと、ペーストされた方のレイヤー名を分かりやすく「被写体」に変更し、元写真のレイヤーを非表示にしておく(図6)(図7)

図6
図7。この時点のレイヤーの状態。デフォルトだと選択範囲の部分が「レイヤー1」という新規レイヤーにペーストされるが、ここでは分かりやすくレイヤー名を「被写体」に変更しておいた。元写真のレイヤーは非表示にしておく

次に、「被写体」レイヤーを複製したら、レイヤーパネルで複製した方のレイヤー(ここでは「被写体のコピー」)を選択して(図8)、レイヤーメニュー→“スマートオブジェクト”→“スマートオブジェクトに変換”を実行する(図9)

図8。この時点のレイヤーの状態。「被写体」レイヤーを複製し、複製した方のレイヤーを選択しておく
図9。この時点のレイヤーの状態。複製した方のレイヤー(ここでは「被写体のコピー」)をスマートオブジェクトに変換しておく

Photoshop で写真を切り絵風グラフィックに加工する: 
2.写真を2階調化してイラスト風に表現する

写真をイラスト風に加工していく。まず、「被写体のコピー」レイヤーが選択された状態のまま、フィルターメニュー→“ぼかし”→“ぼかし(ガウス)...”を[半径:3pixel]で適用する(図10)(図11)

図10。[半径:3pixel]に設定する
図11

続いて、イメージメニュー→“色調補正”→“2階調化...”を[2階調化する境界のしきい値:150]で実行(図12)(図13)。これで、写真がモノクロ2階調に変換される。

図12。[2階調化する境界のしきい値:150]に設定する
図13

必要に応じて、陰影の形を整えておく。ここでは被写体の影の部分をもう少し単純化したかったので、レイヤーパネルで[スマートフィルター]の[ぼかし(ガウス)]をダブルクリックして「ぼかし(ガウス)」ダイアログを表示し(図14)(図15)、プレビューを参考にしながら[半径:4pixel]に変更して適用しておいた(図16)(図17)

図14。この時点のレイヤーの状態。レイヤーパネルで「被写体のコピー」レイヤーの[スマートフィルター]にある[ぼかし(ガウス)]をダブルクリックする
図15。レイヤーパネルで[スマートフィルター]の[ぼかし(ガウス)]をダブルクリックした際に図のようなダイアログが表示された場合は[OK]をクリックする
図16。ここでは[半径:4pixel]に調整しておいた
図17

Photoshop で写真を切り絵風グラフィックに加工する: 
3.微調整してグラフィックを仕上げる

グラフィックを仕上げていく。まず「被写体のコピー」レイヤーが選択された状態のまま、レイヤーメニュー→“ラスタライズ”→“スマートオブジェクト”を実行(図18)

図18。この時点のレイヤーの状態。スマートオブジェクトをラスタライズしておく

いったんレイヤーパネルで「被写体のコピー」レイヤーを非表示にしたあと、「被写体」レイヤーを選択し、そのレイヤーサムネールをcommandキー+クリック(Macの場合。WindowsではCtrlキー+クリック)して被写体の形に選択範囲を作成する(図19)

図19。被写体の形に選択範囲を作成する

続いて、選択範囲メニュー→“選択範囲を反転”を実行したあと(図20)、レイヤーパネルで「被写体のコピー」レイヤーを選択して表示させ、deleteキーを押して選択範囲内を消去する(図21)(図22)。

図20。選択範囲を反転し、被写体の背景が選択された状態にする
図21。選択範囲内を消去する前
図22。選択範囲内を消去した後
(図21の拡大)
(図22の拡大)

次に、レイヤーパネルで「被写体」レイヤーを非表示にしたら、選択範囲メニュー→“選択を解除”を実行(図23)(図24)。

図23。2階調の人物イラストができる
図24。この時点のレイヤーの状態。「被写体」レイヤーは非表示にしておく

レイヤーパネルで「被写体のコピー」レイヤーを選択したあと、レイヤーメニュー→“レイヤースタイル”→“カラーオーバーレイ...”を、[描画モード:乗算]、[オーバーレイのカラー]をオレンジ(ここでは16進数カラーコード[#ff9728])、[不透明度:100%]で適用する(図25)(図26)。

図25。レイヤースタイルの[カラーオーバーレイ]を、[描画モード:乗算]、[オーバーレイのカラー]をオレンジ(ここでは16進数カラーコード[#ff9728])、[不透明度:100%]に設定する
図26

レイヤーパネルでこの「被写体のコピー」レイヤーを3回ほど複製し、イラストのエッジをくっきりさせる(図27)(図28)。

図27
図28。この時点のレイヤーの状態。「被写体のコピー」レイヤーを複製することで、イラストのエッジをくっきりできる。ここでは3回複製しておいた

ここでは、さらに背景や文字要素などを配置して完成とした(図29)。

図29。完成ビジュアル

以上、Photoshopで写真を切り絵風グラフィックに加工するテクニックでした。

制作者プロフィール

MARUMIYAN(マルミヤン)
グラフィックデザイナー/イラストレーター
2007年より「マルミヤン」(Marumiyan)名義で、福岡を拠点に活動を開始。雑誌、広告、CDジャケット、パッケージ、アパレル、プロダクト、Webなど、様々な媒体で活動を行う。人物や植物、動物、建物など、様々なアイコンをグラフィカルに組み合わせ、洗練された作品作りを目指す。また “FOUR DIMENSIONS WORLD” をテーマとした作品も精力的に制作している。2008年「FUNKY802 digmeout」オーディション通過。https://marumiyan.com/
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