【4】<Event Area>東京都・港区
「戦後西ドイツのグラフィックデザイン モダニズム再発見」
~日本初公開のコレクションで西独デザインの魅力を紹介~
本展は、西ドイツにおけるグラフィックデザインの世界を楽しめる企画です。グラフィックデザイナーのイェンス・ミュラー氏とカタリーナ・ズセック氏が収集した「A5コレクション デュッセルドルフ」の中から、ポスターを中心に冊子や雑誌なども含めた多彩な作品が紹介されます。展示作品は、幾何学的抽象/イラストレーション/写真/タイポグラフィという4つの観点から選ばれました。
ドイツのグラフィックデザインの歴史を振り返ると、モダンデザインを世界に広めることになる学校・バウハウスが1919年に創設されました。バウハウスは1933年に廃校となり、その後の第二次世界大戦での敗戦でドイツはベルリンの壁によって東西に分断されます。1990年に再び統一されるまでは、ドイツ民主共和国(東ドイツ)とドイツ連邦共和国(西ドイツ)という2つの国に分かれた状態でした。
西ドイツでは、1953年にバウハウスの理念の継承を目指してウルム造形大学が開設されます。閉校までの15年間という短い期間でデザインの理論と実践を大きく発展させた学校です。さらに戦後の西ドイツでは、バウハウスやウルム造形大学のデザイン教育をベースとしたモダニズムを基盤としながらも、新しい時代の表現が追求され続けました。
今回の展覧会では、貴重なコレクションを通じて、その西ドイツのデザインの斬新なアイデアや工夫などに触れることができます。「A5コレクション デュッセルドルフ」の作品は日本では初公開です。
| 期間 | 2025年3月8日(土)~5月18日(日) |
| 開催場所 | 東京都庭園美術館 東京都港区白金台5-21-9 |
| URL | https://www.teien-art-museum.ne.jp/ |
【5】<Event Area>東京都・板橋区
「エド・イン・ブラック 黒からみる江戸絵画」
~江戸絵画における “黒” の魅力に迫る展覧会~
「エド・イン・ブラック」は、“黒” という “何にも染まらない色” に焦点を当てた展覧会です。黒は日本の絵画においても、古くから欠かすことのできない要素として用いられてきました。本展では、江戸絵画における黒の表現が紹介されます。
展示の見どころの1つは、夜を描いた作品から黒の表現を探っていることです。江戸時代になると夜の時間を楽しむ人が増え、絵画でも多様な描写が繰り広げられるようになりました。展示作品からは、影や暗闇なども含め、夜という特別な時間を表現した絵師たちの創意工夫が感じられます。
さらに本展では、人々にさまざまなイメージを抱かせる “黒” の表現から、江戸時代の文化や価値観を深掘りしていることも特徴です。背景を黒く塗り込んだ作品や、黒を基調とした「墨彩色」「紅嫌い」と呼ばれる浮世絵などから、それらが何を象徴しているのかを検証しています。
特別演出として、暗がりの中で作品を見せる独特な展示もあります。江戸時代には電気がなかったため、時間帯や天候などによっても作品の見え方が変化していました。本展では蝋燭のような灯りの中で展示した金屏風が用意されており、実際に暗がりの中で絵画がどのように見えていたのかを体験できます。
| 期間 | 2025年3月8日(土)~4月13日(日) |
| 開催場所 | 板橋区立美術館 東京都板橋区赤塚5-34-27 |
| URL | https://www.city.itabashi.tokyo.jp/artmuseum/index.html |
【6】<Event Area>愛知県・名古屋市
「エドワード・ゴーリーを巡る旅(名古屋展)」
~シュールな作風の絵本作家の生誕100周年の記念展~
アメリカの絵本作家であるエドワード・ゴーリー氏(1925〜2000年)の生誕100周年を記念した展覧会が、全国を巡回中です。3月からは名古屋の松阪屋美術館で開催され、春休み期間を含む4月6日(日)まで楽しむことができます。
ゴーリー氏は、独特の韻を踏んだ文章やモノクロの線画で、今もなお多くのファンに熱狂的に支持されている作家です。2024年10月には、初期の名作「ウィローデールの手漕ぎ車」が河出書房新社から発売されました。同社は2000年にゴーリー作品の第1弾として「ギャシュリークラムのちびっ子たち」を刊行し、その後は25年間で40点ものゴーリー氏の作品を刊行しています。
ゴーリー氏の代表作は「ギャシュリークラムのちびっ子たち」「うろんな客」「優雅に叱責する自転車」「不幸な子供」「華々しき鼻血」「キャッテゴーリー」「おぞましい二人」などです。シュールな内容で、子どもが次々と死んでいく残酷な物語や倫理・モラルを逸脱しているような作品も数多くありますが、その独特な世界観は「大人のための絵本」として親しまれています。
本展は、ケープコッドの記念館・ゴーリーハウスで開催されてきた企画展を再構成した内容です。子ども/不思議な生き物/舞台芸術などのテーマを軸として、約250点の作品が紹介されます。
| 期間 | 2025年3月1日(土)~4月6日(日) |
| 開催場所 | 松阪屋美術館 愛知県名古屋市中区栄3-16-1 |
| URL | https://www.matsuzakaya.co.jp/nagoya/ |
2025.03.14 Fri2025.03.14 Fri