少しずつ昼間は暖かく感じられる日も増え、春の訪れを感じさせる季節になりました。春休みは、新しいアートとの出会いを楽しむ絶好のチャンスです。本記事では、2025年の春に楽しめる展覧会やアートイベントをピックアップしてご紹介します。名作漫画や人気アニメの大型展覧会、西ドイツのグラフィックデザインの魅力を紹介する企画、廃墟や生物標本をアートにまで昇華させた展示など、幅広いジャンルのイベントが揃っています。春のお出かけの参考に、ぜひ気になる展覧会をチェックしてみてください!
- 【1】<Event Area>東京都・台東区 ほか
「変わる廃墟展 2025」
~廃墟をアートにした10周年を迎える展覧会~ - 【2】<Event Area>東京都・千代田区
「HIKARU UTADA SCIENCE FICTION TOUR 2024 NINE STORIES」
~宇多田ヒカルさんの全国ツアーを9人の写真家が撮影~ - 【3】<Event Area>東京都・港区
「手塚治虫『火の鳥』展」
~“漫画の神様” のライフワーク作品の初の大型展覧会~ - 【4】<Event Area>東京都・港区
「戦後西ドイツのグラフィックデザイン モダニズム再発見」
~日本初公開のコレクションで西独デザインの魅力を紹介~ - 【5】<Event Area>東京都・板橋区
「エド・イン・ブラック 黒からみる江戸絵画」
~江戸絵画における “黒” の魅力に迫る展覧会~ - 【6】<Event Area>愛知県・名古屋市
「エドワード・ゴーリーを巡る旅(名古屋展)」
~シュールな作風の絵本作家の生誕100周年の記念展~ - 【7】<Event Area>東京都・港区
「和を以て景を綴る」
~5名の現代美術家の視点から日本の美意識の変化を探る~ - 【8】<Event Area>福岡県・北九州市
「冨田伊織 新世界『透明標本』展」
~まるで芸術作品のような幻想的な生物標本の展示~ - 【9】<Event Area>東京都・台東区 ほか
「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 ~追憶展~ 終章」
~新たに多数の展示を追加した東京凱旋の展覧会~ - 【10】<Event Area>東京都・中央区
「TV アニメ『薬屋のひとりごと』展 東京会場」
~猫猫と壬氏の完全録り下ろしの音声ガイドも魅力~
【1】<Event Area>東京都・台東区 ほか
「変わる廃墟展 2025」
~廃墟をアートにした10周年を迎える展覧会~
「変わる廃墟展」は、廃墟をアート作品へと昇華した合同写真展&物販展です。廃墟の持つ従来のイメージを大きく覆して好評を博し、2025年で開催から10周年を迎えました。ネガティブな朽ち果てた印象や心霊的な怖さではなく、廃墟の静寂の中にある美しさにスポットを当てた作品が集まります。
本展では毎年新作が発表され、今回も16組のアーティストが参加しています。Instagramで3万人のフォロワー数を超える「啝(@neji_maki_dori)」、Xで独創的な作品を発表している「toshibo(@JIYUKENKYU_jp)」など、SNSを主な舞台に活躍しているクリエイターが中心です。
会場では「啝」が手掛けた壮大な映像作品も初公開されます。ベルギーやフランスの歴史的な廃墟、日本全国の有名な廃墟、さらには世界遺産の軍艦島まで、ドローンを駆使して撮影された映像です。数々の廃墟が短編動画の中に凝縮されており、独特な物語を垣間見ることができます。
10周年を記念して、最新作を収録した特装版の公式図録も限定販売されることが決まりました。過去最大のページ数の1冊に仕上げられています。東京での会期終了後には、名古屋のTODAYS GALLERY STUDIO. NAGOYAへと巡回予定です。
| 期間(東京) | 2025年2月28日(金)~3月30日(日) |
| 開催場所(東京) | TODAYS GALLERY STUDIO. 東京都台東区浅草橋5-27-6 5F |
| 期間(名古屋) | 2025年4月5日(土)~4月27日(日) |
| 開催場所(名古屋) | TODAYS GALLERY STUDIO. NAGOYA 愛知県名古屋市中区新栄1-17-12 |
| URL | http://tgs.jp.net/event/haikyo |
【2】<Event Area>東京都・千代田区
「HIKARU UTADA SCIENCE FICTION TOUR 2024 NINE STORIES」
~宇多田ヒカルさんの全国ツアーを9人の写真家が撮影~
デビュー25周年を迎えた宇多田ヒカルさんの写真集「NINE STORIES」が、3月21日(金)に発売されます。6年ぶりの全国ツアー「SCIENCE FICTION TOUR 2024」を9人の写真家がそれぞれの視点で撮影した1冊です。その写真集の刊行を記念して、神保町のNew Galleryで写真展が開催されます。
写真集と写真展に参加している9人の写真家は、木村和平氏(福岡公演/「覗見」の視点)、鈴木親氏(愛知公演/「断片」の視点)、細倉真弓氏(埼玉公演/「身体性」の視点)、川内倫子氏(宮城公演/「溢光」の視点)、森山大道氏(東京公演/「関係性」の視点)、John Yuyi氏(台北公演/「自己投射」の視点)、Wing Shya氏(香港公演/「カレイドスコープ」の視点)、ホンマタカシ氏(大阪公演/「同時性」の視点)、野口里佳氏(神奈川公演/「存在」の視点)です。「NINE STORIES」という名前は「ライ麦畑でつかまえて」などで知られるJ.D.サリンジャー(1919〜2010年)の短編小説のタイトルから命名されました。
写真集や写真展のプロジェクトは、宇多田ヒカルさんの存在やライブをかたちとして残すことで、後世に語り継ぐことを企図しています。写真展では、一部作品のオリジナルプリントも販売予定です。
| 期間 | 2025年3月7日(金)~3月30日(日) |
| 開催場所 | New Gallery 東京都千代田区神田神保町1-28-1 mirio神保町 1F |
| URL | https://newgallery-tokyo.com/ninestories_exhibition |
【3】<Event Area>東京都・港区
「手塚治虫『火の鳥』展」
~“漫画の神様” のライフワーク作品の初の大型展覧会~
手塚治虫氏(1928〜1989年)の名作「火の鳥」に注目した初の大型展覧会が、六本木ヒルズ森タワー 52Fの東京シティビューで開催されます。「火の鳥」は、手塚治虫氏が自らのライフワークであると宣言し、漫画家としての初期から晩年まで描き続けた長編のシリーズ漫画です。血を飲むと永遠の命を得られるという伝説の「火の鳥」を追い求める人々のドラマが、哲学的なテーマを散りばめながら描かれています。
本展では、生物学者の福岡伸一氏が企画に携わり、新たな生命論の視点から壮大な物語の構造が読み解かれています。手塚治虫氏が生涯をかけて表現した「生命とはなにか」という問いの答えを探し求める内容です。展覧会のサブタイトルは「火の鳥は、エントロピー増大と抗う動的平衡(どうてきへいこう)=宇宙生命(コスモゾーン)の象徴」と名付けられています。
会場では、原画を中心に、映像/関連資料/グラフィックなど計800点以上が展示される予定です。エントランスでは、空間全体を用いたダイナミックな映像で「火の鳥」の作品世界が再現されています。フロアのプロデュースと映像制作は、デザイナーの中村勇吾氏が担当しました。また、展覧会のキービジュアルは佐藤卓氏がデザインしています。
※手塚治虫氏の「塚」は旧字体が正式表記
| 期間 | 2025年3月7日(金)~5月25日(日) |
| 開催場所 | 東京シティビュー 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 52F |
| URL | https://hinotori-ex.roppongihills.com/ |
2025.03.14 Fri2025.03.14 Fri