【7】<Event Area>東京都・港区
「和を以て景を綴る」
~5名の現代美術家の視点から日本の美意識の変化を探る~
本展は、京都を拠点として活動しているインディペンデント・キュレーターの渡邊賢太郎氏と、エイベックス・クリエイター・エージェンシーが運営するオルタナティヴ・スペース「WALL_alternative」との共同企画です。2024年に開催された「和を以て美を見出す」を深化させるかたちで開催されます。
本展に出品している5名(兼子真一氏/野田ジャスミン氏/ハシグチリンタロウ氏/長谷川寛示氏/森夕香氏)は、日本の伝統的な美意識や精神を根底に置いて作品を制作している現代アーティストです。展覧会では、彼らの視点を通じて、日本の美意識がどのように変化しているかを探っています。作品のジャンルは、絵画/書/彫刻/陶芸などさまざまです。
「WALL_alternative」は、3月14日(金)から3月16日(日)まで開催される回遊型アートイベント「GAIEN-NISHI ART WEEKEND」の拠点会場にもなっています。初日の3月14日(金)にはオープニングパーティが実施され、翌日の3月15日(土)には出展アーティストとのトークセッションも繰り広げられる予定です。さらに3月16日(日)には、14組のアーティストが映像作品を披露する「ART FILM PROGRAM」も開催されます。会期中に併設されるバーでは、本展にあわせて開発されたコラボメニューも提供されます。
| 期間 | 2025年3月14日(金)~4月5日(土) |
| 開催場所 | WALL_alternative 東京都港区西麻布4-2-4 1F |
| URL | https://avex.jp/wall/ |
【8】<Event Area>福岡県・北九州市
「冨田伊織 新世界『透明標本』展」
~まるで芸術作品のような幻想的な生物標本の展示~
本展は、2008年から「透明標本作家」として活動している冨田伊織氏に注目した特別企画展です。冨田氏は、北里大学水産学部水産生物科学科に在学中に、研究用の透明骨格標本に魅せられて独自に制作を開始しました。卒業後は、岩手県で漁師見習いをしながら作品制作を続けています。
「透明標本」は、魚や爬虫類などの生き物の肉質が透明になり、柔らかい骨は青く、硬い骨は赤く染色されている標本です。特殊な酵素に長期間にわたって浸すことで、タンパク質が分解されています。
本展で展示される生物標本は、生物でありながらもまるで芸術作品のような神秘的な美しさを備えています。学術標本としてだけではなく「芸術やアートへの興味を深める入り口」としての意義もあり、奥深い生物の美を体感できる展覧会です。「透明標本」はもともとは骨格研究の手法で、構造がはっきりと分かる本展での展示標本からは生物の造形の多様性も学べます。
単純に「標本の展覧会」と言うと地味なイメージがあるかもしれませんが、本展は会場の演出にも工夫があり、幻想的な空間を楽しむことが可能です。会場内は撮影OKとされているため、インパクトのある美しい光景を写真に収めて共有する楽しみ方もできます。
| 期間 | 2025年3月15日(土)~5月18日(日) |
| 開催場所 | 北九州市科学館 1F 企画展示室 スペースLABO 福岡県北九州市八幡東区東田4-1-1 |
| URL | https://www.kitakyushuspacelabo.jp/ |
【9】<Event Area>東京都・台東区 ほか
「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 ~追憶展~ 終章」
~新たに多数の展示を追加した東京凱旋の展覧会~
「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 ~追憶展~」の東京凱旋展が「終章」として開催されます。水木しげる氏(1922〜2015年)の生誕100周年を記念して2023年に公開された映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」のストーリーや世界観を追体験できる展示イベントです。本展は2024年6月の池袋PARCOでの開催を皮切りに5つの会場を巡回し、各地で好評を博してきました。
「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」では、国民的アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」のTVアニメ第6期をベースに、鬼太郎の誕生にまつわるシリーズ原点の物語が描かれています。第47回日本アカデミー賞では優秀アニメーション作品賞を受賞しました。映像と音響をブラッシュアップした特別版として、327カットものリテイクを行った「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 真生版」も2024年10月から上映されています。
展覧会は、既に会場を訪れた人にも楽しめるように、今回の開催ではさらにパワーアップした内容となっています。初公開となる原画(総作画監督修正)などが用意され、音声ガイドも「終章」バージョンとして再収録されました。関俊彦さんが演じる鬼太郎の父と、木内秀信さんが演じる水木の音声で、会場限定の特別な展示案内を楽しむことができます。
| 期間 | 2025年3月28日(金)~4月20日(日) |
| 開催場所 | 渋谷PARCO 6F 特設会場 東京都渋谷区宇田川町15-1 |
| URL | https://art.parco.jp/ |
【10】<Event Area>東京都・中央区
「TV アニメ『薬屋のひとりごと』展 東京会場」
~猫猫と壬氏の完全録り下ろしの音声ガイドも魅力~
2025年1月から第2期が放送されて人気を博しているTVアニメ「薬屋のひとりごと」の展示イベントです。日向夏氏によるライトノベルが原作のアニメで、架空の国の後宮を舞台に、毒見役として仕えることになった猫猫(マオマオ)と謎多き美形の宦官の壬氏(ジンシ)を中心とした謎解きの要素を含むストーリーが展開されています。
展覧会は、TVアニメ作品の魅力が凝縮された内容です。劇中の名シーンが立体造作で再現されていたり、貴重な原画/画コンテ/美術設定が初公開されていたりします。作品の世界に入り込んだような写真を撮影できる「毒見フォトスポット」も設置されました。
本展では、スマホを利用して楽しめる有料の音声ガイドも用意されています。悠木碧さんが演じる猫猫や、大塚剛央さんが演じる王氏による本展のための完全録り下ろしです。オリジナルストーリーとボイスとともに会場を見て回ることができます。
会場ではバラエティに富んだオリジナルグッズも販売されます。各キャラクターのアクリルスタンドをはじめとするコレクターズアイテムのほか、原画を用いたポストカードにも注目です。アイマスクや箔押しトランプなどのユニークなアイテムも登場します。
東京での会期終了後は、全国各地への巡回も予定されています。4月25日(金)~5月19日(月)には福岡県の博多阪急、5月23日(金)~6月15日(日)には新潟県の新潟市マンガ・アニメ情報館にて開催予定です。
| 期間 | 2025年3月26日(水)~4月14日(月) |
| 開催場所 | 松屋銀座 8F イベントスクエア 東京都中央区銀座3-6-1 |
| URL | https://kusuriya-exhibition.jp/ |
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今回の記事では、2025年の春休みに楽しめる注目の展覧会やアートイベントを紹介しました。人気作品の世界観にどっぷりと浸れる展覧会や、SNSでも話題になりそうな美しい展示など、多彩なラインナップが揃っています。新たな作品との出会いは、春の思い出をより鮮やかに彩ってくれるはずです。しっかりと予定を組んで、ぜひ気になるイベントを訪れてみてください。春休みのアート巡りを存分に楽しみましょう!
2025.03.14 Fri2025.03.14 Fri