パソコンやスマホが手放せない現代人にとって、首のこりは重要課題。デスクワークの多いクリエイターの皆さんも日々痛みに悩まされているのではないでしょうか。首は気の流れにおいても大切なポイント。今回はそんな首のケア方法を鍼灸院「アキュサリュート高輪」の院長・瀬尾港二先生に教えてもらいます。イラストは、お笑いコンビ蛙亭の中野周平さんです。
気の流れの重要ポイント「首」
瀬尾 首は頭と身体を繋ぐ重要なポイント。スマホの見過ぎなどによる首のこりで気が滞ると、メンタル不調につながることも。心も身体の一部と捉え、気の流れをよくしておくことが大切です。
基本的に「こり」は同じ姿勢や冷えによって起きやすくなります。そのため、寝返りを打ちやすい枕を選ぶことも重要。なかなかぴったり合う枕が見つからない方は、足拭きマットのような厚めのものを土台にし、上にフェイスタオルを重ねて好きな高さにするのもおすすめです。
首ケアに効果的な手のツボ
瀬尾 身体のエネルギーの通り道である「経絡」は、手の三焦経、大腸経、小腸経と繋がっており、頭から足へと降りていく際に首を通ります。そのためこの部分をケアすることが大切。首を直接ケアしても良いのですが、上記の経絡の中から手のツボを刺激することで首のケアにも繋がります。
合谷(ごうこく)
大腸経のツボである「合谷」。親指と人さし指の骨が交差してできる手の甲側の谷間部分。 |
外関(がいかん)
三焦経のツボである「外関」。手首の外側、シワのあるところからひじに向かって2寸(人さし指・中指・薬指の3本分)の位置。そこからひじにかけての腕のラインを揉みほぐす。特に起点となる外関を念入りに押す。 |
養老(ようろう)
小腸経のツボである「養老」。手首の外側で、中心よりやや外の位置にある。 |
首のストレッチをしながらツボ押しをするのもおすすめ。
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気の巡りをよくする経絡のストレッチ
瀬尾 ツボ押しだけでなく、首から手にかけての経絡のストレッチも行なってみましょう。
1. 大腸経のストレッチ
人差し指をグッと伸ばすように後方に腕を伸ばし、首は腕と逆側に倒して5つ呼吸を数える。 |
2. 三焦経のストレッチ
腕を真横に伸ばし、薬指を体側に折るように手首を曲げる。首は逆の手で軽く支えながら真横に倒す。 |
3. 小腸経のストレッチ
腕を前に伸ばし、小指を折るようにして手首を体側に曲げる。首は逆の手で軽く支えながら右斜め前に倒す。このとき肩甲骨が伸びるように意識する。 |
- 瀬尾港二
- アキュサリュート高輪院長
- 1960年宮崎生まれ。ICU理学科卒業後、北京中医学院(現北京中医薬大学)針灸推拿学部に入学。在学中から気功や武術の大家に師事。92年卒業。2010年にアキュサリュート高輪を開設。一般社団法人日本中医薬学会理事・事務局長、神奈川衛生学園専門学校非常勤講師、東京医科歯科大学非常勤講師。著書に「図解 よくわかる東洋医学―漢方薬・ツボ・食事、3つの養生法で治す」「家庭でできる漢方〈4〉不眠症―原因・タイプ別 眠れるからだに体質改善!」など。
2024.06.28 Fri