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プロダクトデザイナーは語りたい! 〜小木曽槙一のライフハック「デザインのしゃべり場」〜

2024.06.14 Fri

正解のない生成AIの世の中を生きるには?

デザイナーの未来を左右する「生成AI」のキャリア形成とスキルアップ

こんにちは!こぎそ(@kgsi)です。最近目まぐるしく進化している生成AIの情報に若干食タイ気味です笑。とにかく進化が早い...。特別な情報以外はなかなかキャッチアップも難しくなるぐらい、日々当たり前のように進化していっています。

僕は、新しいニュースが出るたびに影響を受けて何が起きる...か考えたりする昨今ですが、今回は、それらの情報に都度振り回されずに、生成AI時代におけるデザイナーの生き残り方や、どう考えて仕事をしていくか...を語りたいと思います。

生成AI界隈の現状

国内外で様々な生成AIツールが登場し、急速に普及が進んでいるのは皆さんも御存知でしょうし、改めて語ることではないでしょうが、みなさん、ツールや情報を追っていますか? 特に昨今のOpenAIやGoogleの発展速度は目覚ましく、つい先日発表されたGPT-4oやGeminiのアップデート、アプリケーション連携などのニュースは、その勢いを感じさせられるニュースでした。

そんな中、2024年5月に開催された生成AIカンファレンス2024では、業界の最新動向と今後の展望について活発な議論が交わされていました。

2024年5月に行われた生成AIカンファレンスは著名なエンジニアや事業家が集まりました

カンファレンスでは、全産業のソフトウェア化とAI化が進む中で、ソフトウェアエンジニアが社会の主役になっていくことが指摘されています。また、生成AIの社会実装には技術だけでなく現実世界の深い理解が不可欠であり、異分野の専門家との共創が重要だとも強調されました。

特に印象的だったのは、東京大学教授の松尾豊先生のセッションです。このセッションでは、日本のAI戦略について詳しく解説しており、日本は他国に比べてデジタル化で出遅れているものの、AI戦略会議やAIセーフティ・インスティテュートの設立など、政府レベルでの取り組みが加速していることが挙げられています。

また、シンガポールとの連携により、東南アジア市場でのLLM開発をリードできる可能性についても言及されていましたこれは、技術投資が後手後手に回っているように思える日本にとって、未来に希望を感じさせられるようなセッションでした。

生成AIが当たり前になっても枯れないスキル、尽きない課題

生成AIの発展により、例えばデザインの一部業務も含めて、労働集約的な作業は特にですが簡単に様々なアウトプット生成が可能になりつつあります。

しかし、それでもなお人間にしかできない領域は残るでしょう。特にコミュニケーション力やソフトスキルの重要性は一層高まるのではないでしょうか?

AIは「感情表現」を擬似的に再現することは可能ですが、当然人間と同様の感情や創造性を持つことはできませんし、クライアントとの折衝、ユーザー理解、コンセプトメイキングなど、人と人とのコミュニケーションに基づく業務は、AIでは代替できないからです。むしろ、そうした人間らしいスキルがあってこそ、AIツールを使いこなせるとも言えます。

プロダクトデザインやコミュニケーションデザインも、AIが出した答えに満足することがあるのか、

生成AIの関わり方とキャリア形成

生成AIの発展により、デザイナーの仕事の進め方は大きく変わっていく未来が予想されますが、真っ当に考えるならAIやツールが代替可能な領域と、そうでない領域を的確に見極めることが重要でしょう...がそんなこと予測するのは難しいですよね。

ただ、こんな不確実性の高い状況ではありますが、筆者が思う、強く言えることは、対人コミュニケーションを通じて仕事を創出する力は今後ますます求められるスキルになります。アウトプットが簡単に出せる未来が来る、であればアウトプットをただ出すだけでは価値は上がりません。これからはアウトプットの価値を適切に伝え、クライアントやユーザーとの信頼関係を築き、アウトカムを出すスキルがより重宝されるでしょう。

一方でAIでアウトプットをどう生み出すのか、知識の陳腐化が早いペースで進むAIの発展に合わせ、デザイナーも常に新しい知識やスキルを吸収し続ける必要があります。基礎的な理論や考え方をしっかりと身につけておくことで、変化の激しい時代を乗り越えやすくなるでしょう。

生成AIの危険性・危惧

さて、最近の自分はと言いますと、こういった記事を書いたり、ソースコードを書く際にChatGPTやClaudeといったツールが欠かせない存在になっています。数年前では考えもしませんでしたが、ソースコードを書くときや調べ物をするといったときにこれらのツールがない世界が想像できません。それだけ劇的な変化が起きている...ということです。

この流れがより加速した世界、極端な例ですがコミュニケーションすらAIに依存する世界が来る可能性だってあります。人は他者に頼る必要がなくなり、情報の出どころを意識することもなくなるのではないでしょうか?

たとえば、音声会話型おしゃべりAIアプリ「Cotomo」がありますが、なかなか人を惑わせる性質があります。まるで本当の友だちや恋人のような振る舞いを見せるので、こういった分野が進化した先を想像すると、コミュニケーションすら依存する可能性だってあります。


結果、人と人とのつながりが失われ、情報は得られるが、孤立感を感じる人が増えるかもしれません。しかし、これはあくまで極端な例です。生成AIがもたらす影響を注視しつつ、人間らしさを大切にしながら付き合っていくことが肝要だと言えるでしょう。

まとめ

生成AIの発展により、デザイン業界は大きな変革期を迎えています。といってもこれは別にデザイン業界に限らない話ではありますが、AIでは代替できない領域を見極め、コミュニケーション力などの人間らしいスキルを磨いていくことが求められています。

知識のアップデートを怠らず、変化に柔軟に適応していく姿勢も大切です。 AIの発展がもたらす影響は計り知れません。人間関係の希薄化など、負の側面にも目を向ける必要があります。デザイナーに限らず、テック業界に足を突っ込む我々は特に、ですが。

とまぁ、一般論や個人的な意見など色々と語りましたが、究極は「AIに振り回されることなく、自分らしい人生を見つけたい」というのが感想です。AIに振り回されずに、AIを振り回すような、AIを最高の道具として使えるような気持ちでやっていきましょう、それではまた〜!

小木曽 槙一
プロダクトデザイナー
受託制作会社でデザイナー・エンジニアとして勤務後、事業会社のデザインエンジニアとしてプロダクト開発に従事。2020年に株式会社SmartHRに入社、プロダクトデザイナーとしてプロダクトの開発やデザインシステム・UIコンポーネント設計などにも携わる。2024年にAlgomaticのCoS(Chief of Staff)/ DevRelとして入社。 パラレルキャリアを標榜し、副業でエンジニア・デザイナー・アドバイザーとして活動中。著書に『ちいさくはじめるデザインシステム(BNN)』など。
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