東京国立博物館 表慶館にて、2024年7月28日(日)まで「カルティエと日本 半世紀のあゆみ『結 MUSUBI』展 − 美と芸術をめぐる対話」が開催されています。カルティエと日本、カルティエ現代美術財団と日本のアーティストという2つの絆を紐解く展覧会です。
日本で初めてのブティックから50年
本展は、1847年にパリで創業した宝飾ブランドのカルティエが、日本で最初のブティックを開いてから50年であることを記念して開催されています。メゾンと日本を結ぶさまざまなストーリーを通して “絆” を紹介する内容です。
会場の表慶館は、左右対称の構造が美しい美術館で、1978年に重要文化財に指定されています。表慶館の右側に位置する本展の第一部では、1983年に創設されたメゾンのヘリテージコレクション「カルティエ コレクション」の作品やアーカイブ資料、現代アーティストの作品など170点超を展示し、“個人的なエピソード” なども紹介されています。
本展では、1974年の原宿への最初のブティック「パレ・フランス」はもちろん、それよりさらに1世紀近く前にまで遡る “カルティエと日本文化との対話” や、カルティエにおける日本からのインスピレーションの重要性が示されました。1988年以降に日本で開催されてきたカルティエの展覧会も振り返りつつ、「カルティエ コレクション」から重要かつ象徴的なピースが厳選して紹介され、カルティエの軌跡についても紹介されています。
カルティエ現代美術財団と日本のアーティスト
カルティエと日本の密接な関係には、カルティエ現代美術財団も大きく尽力してきました。カルティエ現代美術財団は1984年に設立され、日本人アーティストの発掘や再発見、ヨーロッパへの作品紹介を担ってきた財団です。日本の機関と協力して、所蔵作品や日本・世界で活躍するアーティストの作品を紹介する展覧会をこれまでに何度も開催しています。
今回の展覧会では、財団所蔵作品や本展のためにアーティスト・ギャラリーから借り受けた作品など、120点超も紹介されます。カルティエ現代美術財団が取り扱う作品には絵画/写真/建築/デザイン/映像などさまざまなジャンルがあり、今回紹介されているのは国内外の16人のアーティストによるものです。
参加アーティスト |
荒木経惟氏、石上純也氏、ウィリアム・エグルストン氏、川内倫子氏、北野武氏、ジャン=ミシェル・アルベロラ氏、杉本博司氏、束芋氏、中川幸夫氏、宮島達男氏、松井えり菜氏、村上隆氏、三宅一生氏、森村泰昌氏、森山大道氏、横尾忠則氏 |
“結ぶ” ことが象徴された「日本五十空景」の展示
今回、「メゾン カルティエ」と「カルティエ現代美術財団」の並行する2つの歴史が、単一の展覧会で初めて一堂に会しています。それを結ぶように、会場の建物の中心に展示されているのが澁谷翔氏によるインスタレーション「Fifty Sky Views of Japan(日本五十空景)」です。
この作品はカルティエ ジャパン50周年を記念するために制作されました。歌川広重と「東海道五十三次之内」(1832年)へのオマージュの意味を込めて、35日間にわたって日本全国を旅して50点の絵画の連作が制作されています。
澁谷氏は47都道府県全てを訪れて、毎日地元新聞日刊紙の一面に空の景色を描きました。青い空から燃えるような夜明けまで時間は続いているもの、さらに場所は変わっても空は1つにつながっているものです。そのような連続したつながりを示す「日本の空五十景」は、 “絶えず進化させ刷新し続けるカルティエの歴史” も象徴する作品に仕上げられています。
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■期間:
2024年6月12日(水)~7月28日(日)
■開催場所:
東京国立博物館 表慶館
東京都台東区上野公園13-9
■問い合わせ先:
東京国立博物館/カルティエ
tel. 050-5541-8600(ハローダイヤル)
url. https://www.tnm.jp/
url. https://www.cartier.jp/