• はてなブックマーク
  • RSS
  • Line

Photoshopド定番チュートリアル

2025.12.16 Tue

【Photoshop】クロムフィルターで液体金属風のポートレートを表現する(リキッドメタル/SF)

作例制作:マルミヤン 編集:山口優

Photoshopの「クロム」フィルターで写真を加工し、SF映画に出てきそうな液体金属風のポートレートを表現する方法を紹介します。輪郭の強調から色付けによる仕上げまで、グラデーションマップなどの機能を活用しながら、印象的なリキッドメタル表現をつくる手順を丁寧に解説します。​
*本連載はPhotoshopで作る定番グラフィックの制作工程を、一から手順通りに解説するHow to記事です。

■使用する機能
「スマートオブジェクト」「背景を削除」「クロム」「コピー」「マジック消しゴムツール」「描画モード」「明るさの中間値」「グラデーションマップ」「カラーオーバーレイ」

【Photoshop】液体金属風のポートレートを表現: 
1.元となる写真を配置して液体金属風に加工する

まずは新規ファイルを[幅:1200ピクセル]、[高さ:1300ピクセル]、[解像度:350ピクセル/インチ]で作成したら、元となる写真素材を用意して配置する(図1)

図1

レイヤーパネルで元写真のレイヤーを選択して、レイヤーメニュー→“スマートオブジェクト”→“スマートオブジェクトに変換”を実行(図2)

図2。この時点のレイヤーの状態。元写真のレイヤーをスマートオブジェクトに変換しておく

続いてコンテキストタスクバー(表示されていない場合は、ウィンドウメニュー→“コンテキストタスクバー”にチェックを入れて表示させる)の[背景を削除]をクリックして被写体の背景を消しておく(図3)

図3。背景を削除する前。コンテキストタスクバーの[背景を削除]ボタン(赤枠部分)をクリックする
背景を削除した後

この元写真のレイヤーを前面に複製したら、複製した方を非表示にし、複製元のレイヤーを選択(図4)

図4。この時点のレイヤーの状態。元写真のレイヤーを複製して、複製した方を非表示にしたあと、複製元のレイヤーを選択しておく

フィルターメニュー→“フィルターギャラリー...”を選択し、[スケッチ]の[クロム]を[ディテール:4]、[滑らかさ:7]で適用する(図5)(図6)

図5。[スケッチ]の[クロム]を[ディテール:4]、[滑らかさ:7]に設定する
図6

【Photoshop】液体金属風のポートレートを表現: 
2.被写体の輪郭を強調する

被写体の輪郭が際立つよう加工する。まずはレイヤーパネルで先ほど非表示にした方のレイヤーを選択して表示させる(図7)(図8)。

図7
図8。この時点のレイヤーの状態。非表示にしておいたレイヤーを表示させる

[描画色:黒]、[背景色:白]に設定し、フィルターメニュー→“フィルターギャラリー...”を選択して[スケッチ]の[コピー]を[ディテール:10]、[暗さ:10]で適用する(図9)(図10)

図9。[スケッチ]の[コピー]を[ディテール:10]、[暗さ:10]に設定する
図10

このレイヤーが選択された状態のまま、レイヤーメニュー→“ラスタライズ”→“スマートオブジェクト”を実行。レイヤーサムネールが選択された状態になっているか確認し、なっていない場合はクリックして選択しておく(図11)

図11。この時点のレイヤーの状態。スマートオブジェクトをラスタライズしておく。図のようにサムネールの周囲に白い枠線が表示されている状態が、選択された状態。選択されていない場合は、クリックして選択しておく

マジック消しゴムツールを選択してオプションバーで[許容量:32]、[アンチエイリアス]をオン、[隣接]と[全レイヤーを対象]をオフに設定し(図12)、画像の白い部分をクリックして削除する(図13)

図12。マジック消しゴムツールのオプションバーで[許容量:32]、[アンチエイリアス]をオン、[隣接]と[全レイヤーを対象]をオフに設定する
図13

続いてレイヤーパネルで、このレイヤーを[描画モード:焼き込み(リニア)]に変更(図14)(図15)。

図14
図15。この時点のレイヤーの状態。レイヤーを[描画モード:焼き込み(リニア)]に変更する

さらに、フィルターメニュー→“ノイズ”→“明るさの中間値...”を[半径:3pixel]で適用する(図16)(図17)

図16。[半径:3pixel]に設定する
図17

【Photoshop】液体金属風のポートレートを表現: 
3.色を着けてビジュアルを仕上げる

ビジュアルを仕上げていく。まず、レイヤーメニュー→“新規調整レイヤー”→“グラデーションマップ...”を選択。「新規レイヤー」ダイアログが表示されたら、そのまま[OK]をクリックする(図18)

図18。「新規レイヤー」ダイアログが表示されたら、そのまま[OK]をクリックする

続いて、プロパティパネルのグラデーションサンプル(マウスポインターを合わせると「クリックでグラデーションを編集」とヒントが表示されるバー状のグラデーション見本)をクリックして(図19)、グラデーションエディターを開く。

図19。プロパティパネルのグラデーションサンプル(赤枠部分)をクリックする

グラデーションエディターが表示されたら、プリセットの[基本]から[黒、白]を選んだあと、左側のカラー分岐点をクリックして選択し、[位置:29]に変更して適用する(図20)(図21)

図20。プリセットの[基本]から[黒、白]を選んだあと(赤枠上)、左側のカラー分岐点をクリックして選択し(赤丸)、[位置:29]に変更(赤枠下)
図21

レイヤーパネルで背景レイヤー以外をすべて選択したら(図22)、レイヤーメニュー→“レイヤーをグループ化”を実行(図23)

図22。この時点のレイヤーの状態。背景レイヤー以外をすべて選択する
図23。この時点のレイヤーの状態。レイヤーをひとつのグループにまとめておく

このレイヤーグループが選択された状態のまま、レイヤーメニュー→“レイヤースタイル”→“カラーオーバーレイ...”を、[描画モード:オーバーレイ]、[オーバーレイのカラー]を茶色(ここでは16進数カラーコード[#91735c])、[不透明度:100%]で適用する(図24)(図25)

図24。レイヤースタイルの[カラーオーバーレイ]を、[描画モード:オーバーレイ]、[オーバーレイのカラー]を茶色(ここでは16進数カラーコード[#91735c])、[不透明度:100%]に設定する
図25

ここでは、さらに文字要素などを配置して完成とした(図26)

図26。完成ビジュアル

以上、Photoshopのクロムフィルターで写真を加工し、SF映画に出てきそうな液体金属風のポートレートを表現する方法でした。

制作者プロフィール

MARUMIYAN(マルミヤン)
グラフィックデザイナー/イラストレーター
2007年より「マルミヤン」(Marumiyan)名義で、福岡を拠点に活動を開始。雑誌、広告、CDジャケット、パッケージ、アパレル、プロダクト、Webなど、様々な媒体で活動を行う。人物や植物、動物、建物など、様々なアイコンをグラフィカルに組み合わせ、洗練された作品作りを目指す。また “FOUR DIMENSIONS WORLD” をテーマとした作品も精力的に制作している。2008年「FUNKY802 digmeout」オーディション通過。https://marumiyan.com/
  • Instagram
読込中...

Follow us!

SNSで最新情報をCheck!

Photoshop、Ilustratorなどのアプリの
使いこなし技や、HTML、CSSの入門から応用まで!
現役デザイナーはもちろん、デザイナーを目指す人、
デザインをしなくてはならない人にも役に立つ
最新情報をいち早くお届け!

  • Instagram