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ITライター・山口真弘の気になるグッズラボ

2022.08.09 Tue

コンセント直挿しが便利、ただし使う人をちょい選ぶかも? Ankerのスティック型モバイルバッテリー

文:山口真弘

最近のモバイルバッテリーは、容量10,000mAhは普通、20,000mAhも珍しくありませんが、これとは別に、容量を最小限に絞ったモデルのニーズもあります。10,000~20,000mAhなどの大容量だとかなり重い上にサイズもかさばるため、携帯するには容量を減らして軽量化したモデルのほうが、外出時にバッグに忍ばせるには便利というわけです。

今回紹介するAnkerの「Anker 511 Power Bank (PowerCore Fusion 5000)」は、日頃のちょっとした持ち歩きに便利な、スティック形状の5,000mAhのモバイルバッテリーです。

ボディはスティックタイプ。後部は光沢調
USB Type-Cポートは外部デバイスの充電専用です
USBケーブルを使って外部デバイスを充電します
ストラップは本体と一体化しており外せません

こうしたスティックタイプのモバイルバッテリーは他社からも発売されていますが、本製品はその中でもレアな特徴を複数備えています。

ひとつは急速充電規格のUSB PDに対応し、最大20Wでの給電が行えることです。スティックタイプでUSB PD対応というだけでも珍しいのですが、最大20W(9V/2.22A)まで対応するのは非常にレアです。

iPhoneの現行モデルは20W以上に対応した製品が多いだけに、これから買うならば、一昔前に主流だった最大18Wの製品より、最大20Wに対応した製品がよいという人も多いはずです。充電周りは難しくてよくわからないという人は「iPhoneを最高速度で充電できるスペック」と考えておけばおおむね正解です。

そしてもうひとつの特徴は、電源プラグを内蔵しており、コンセントに直接挿して本体の充電が行えることです。USB充電器を持ち歩かずに済みますので、外出時に荷物を減らすことができます。また本製品をコンセントに挿した状態で、ケーブルをスマホに接続して充電するという、さながら充電器のような使い方にも対応します。

本体にプラグを内蔵していることが大きな特徴
壁面のコンセントにそのまま差し込めます

ただしマイナス点もいくつかあります。ひとつはこのプラグが本体の端ではなく、側面に配置されており、可動範囲が90度に制限されているため、コンセントに挿そうとすると高い割合で隣の口を塞いでしまうことです。

特にコンセント口が直列に並んだ電源タップでは、いちばん端の口に挿さなければ、隣の口はおろかさらにその隣の口まで塞いでしまいかねません。本製品をコンセントに挿すためだけに電源延長ケーブルを用意するというのもおかしな話で、こうなるとせっかくのメリットがデメリットになってしまいます。

本製品と同じく電源プラグを内蔵した充電器などでは、電源プラグの可動範囲は180度あるなど、コンセントに差し込んだ場合も邪魔にならないように配慮されていることが多いのですが、本製品はその点おかまいなしです。実用性という意味では少々残念な仕様です。

プラグは本体の先端でなく側面から飛び出る構造
そのためタップなどに差し込もうとすると…
隣に口にACアダプタを挿していると干渉しがちです
コンセント口が直列に並ぶタップなら干渉しません

また充電方法がこのコンセント経由のみで、USB Type-Cポート経由での充電に対応しないのもネックです。USB Type-Cポートを搭載したモバイルバッテリーの多くは、USB Type-Cポートを使っての出力と入力の両方に対応しますが、本製品がサポートするのは出力のみで、入力、つまり本製品への給電は必ず前述のコンセント経由となります。いざという時にノートPCのUSB Type-Cポートから充電できないのは、実際に使ってみると意外と不便です。

またUSBポートがUSB Type-C×1だけであることも要注意です。バッテリーの容量から考えて、複数のデバイスを同時に充電するニーズはそれほど多くないでしょうが、他社製品ではUSB Type-CだけでなくAポートも備えた製品があるだけに、融通の効かなさは気になるところです。

USB Type-Cポートから本体を充電することはできません
USB Type-Cはあくまで外部デバイスを充電するだけです
同じスティック型のcheero「CHE-108」との比較
プラグとUSB Aポートの有無が大きな相違点です

以上のように、実際に使ってみると、なかなかクセがある製品であることが分かります。自身の使い方にピタッとハマれば便利なのですが、うまくハマらなかった場合、使い方の側を変えなくてはいけません(筆者の利用環境では、いざという時にUSB Type-Cでの充電ができないのはかなり致命的でした)。スティックタイプとしてはやや割高で、ケーブルが別売であるなど、コスト面もネックです。

スティックタイプのモバイルバッテリーはもともと種類も多くないだけに、最大20WのUSB PDが利用できる本製品は貴重で、かつコンセントに直挿しできることから、持ち歩く荷物をなるべく減らしたい人にもうってつけですが、今回紹介した仕様が自分の利用環境にフィットするか、購入前にまずは頭の中でシミュレーションしてみることをおすすめします。

DATA

製品名:Anker 511 Power Bank (PowerCore Fusion 5000)
実売価格:4,990
発売元:Anker 
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B09NMB5JWH/

著者プロフィール

山口真弘
ITライター
PC周辺機器メーカーやユーザビリティコンサルタントを経て現職。各種レビュー・ハウツー記事をWEBや雑誌に執筆。最近は専門であるPC周辺機器・アクセサリに加え電子書籍、スマートスピーカーが主な守備範囲。著書に『ScanSnap仕事便利帳』(ソフトバンククリエイティブ)『PDF+Acrobat ビジネス文書活用[ビジテク] 』(翔泳社)など
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