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2023年度はフォント12種とパターン59種が追加! 新作が公開された「シブヤフォント」とは?

2024.03.31 Sun

一般社団法人シブヤフォントが、2023年度の新作データを公開しました。「シブヤフォント」は障害のある人が描いた文字や絵柄をフォント・パターンとしてデジタル化したパブリックデータです。商用利用に関する条件はありますが、公式サイトから誰でも使えます。

渋谷区が主催する公認のパブリックデータ

「シブヤフォント」は、誰でも利用できる東京都渋谷区公認のパブリックデータとして公式サイトで公開されています。フォントやパターンのデータ制作を担当しているのは、専門学校桑沢デザイン研究所の学生たちです。渋谷区内で暮らしていたり働いていたりする障害のある人が描いた文字・絵が元になっています。

連携している渋谷区内の支援事業所
くるるえびす、ストライドクラブ、TENTONE、はぁとぴあ原宿、福祉作業所おかし屋ぱれっと/工房ぱれっと、福祉作業所ふれんど、ホープ就労支援センター渋谷 アトリエ福花、のぞみ作業所、ワークささはた、ワークセンターひかわ、むつみ工房
協力:専門学校桑沢デザイン研究所
主催:渋谷区
企画運営:一般社団法人シブヤフォント

「シブヤフォント」のプロジェクトには、2017年から2021年まで学生たちがボランティアで制作に参加していました。2022年度からは、桑沢デザイン研究所の正式な授業となっています。公式noteの「シブヤフォント制作日記」では、「シブヤフォント」の制作過程で生まれる学生とメンバーとのコミュニケーションや、一緒に作る意義についてなども紹介されています。

商用利用の際には要件をしっかりと確認

「シブヤフォント」のWebサイトでは、アーティスト別、デザイナー別、施設別といったかたちでもデータを探すことが可能です。無料のものと有料のものがあり、商用利用の範囲については、営利/非営利を問わずに事業収益がある団体・個人は利用料が発生します。

利用の際には「ご当地フォント」もしくは「シブヤフォント」の商標(ロゴ・名称)を商品/パッケージ/ニュースリリース/広報のいずれかに表示することが必須条件です。データの商用利用における料金は「料金表」として分かりやすくまとめられています。

データの拡充で広がりを見せる「シブヤフォント」

新たにリリースされた2023年度のデータでは、新フォント12種類と新パターン59種類が加わりました。これまでのデータと合わせて、累計588種もの幅広いラインナップです。多くの人々が活用し、取り組みに賛同し、広がりを見せていることが感じられます。

2023年度の発表会の参加者(学生/施設/企業)

「シブヤフォント」は、ほかではあまり見られないような個性のあるデザインが多いことも特徴でしょう。デザインを画一的すぎる仕上がりにはしたくないときや、自由な雰囲気を強調したいときなどにも便利そうです。

さらに、期間限定でさまざまな事業に活用できる「データ使い放題プラン」や、オリジナルフォントの制作などの多様な企業ニーズに応えるパッケージも用意されています。企業支援サービスの売り上げの一部(10〜50%)は渋谷区内の障害のある人の支援事業者に還元されるなど、SGDsに資する事業として運営されています。

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「シブヤフォント」の取り組みは、2019年度のグッドデザイン賞(公益財団法人日本デザイン振興会)も受賞しています。そこでは「多様性理解とシビックプライドにつながるソーシャルアクション」であることがポイントとされ、データ販売の利益の還元で障害のある人たちの社会参加や経済的自立を目指していることも高く評価されていました。理念として素晴らしいことはもちろん、シンプルにデザインのバリエーションの豊かさも魅力的な注目のプロジェクトです。

一般社団法人シブヤフォント
URL:https://www.shibuyafont.jp/
2024/03/30

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