昨今ではiPhoneで撮影された映画や広告写真も珍しくないほど、スマホカメラのクオリティは進化しています。しかし、スマホカメラのレンズの限界もあり、「もっと広角で撮りたい」、または「もっとズームで撮りたい」などと思うこともあるのではないでしょうか。
ケンコー・トキナーの「EXAPRO(エグザプロ) クリップレンズ」は、スマホカメラに装着するクリップ式コンバージョンレンズです。一眼レフカメラのように、さまざまなレンズを付け替えることができます。今回は、「EXAPRO クリップレンズ」のワイドとスーパーワイド、フィッシュアイ(魚眼)、マクロ、望遠と5種類のレンズの使用感や使い方をレポートします。
ワイド、スーパーワイド、魚眼レンズで画角を拡張する
ケンコー・トキナーの「EXAPRO」シリーズは、「スマートフォンでクリエイティブな映像制作を行うすべての人を応援する」というコンセプトのもと、モバイル向けのカメラアクセサリーをリリースしています。スマホカメラのレンズに装着できるクリップレンズについては、ワイドとスーパーワイド、フィッシュアイ(魚眼)、マクロ、望遠の5種類が販売されています。
「EXAPRO クリップレンズ ワイド」は画角120°、倍率0.66倍※で撮影できます。iPhoneの広角レンズ1.0倍で撮影した写真と比べると、ワイドレンズを付けて撮影した写真は手前や左右が広く画角に入り奥行きが出ていることがわかります。
「EXAPRO クリップレンズ スーパーワイド」は画角が150°とさらに広角になり、倍率0.58倍※で撮影できます。少し歪みは出ますが、魚眼レンズほど丸くなりません。
四隅にケラレが出る場合がありますが、そのときは拡大率を少し上げると消せます。作例では1.0倍だとケラレが出たので、1.1倍で撮影しています。
ワイドもスーパーワイドも、公園や海、街並みなど広い景色を撮るのに適しています。ワイドは歪みが少なく自然に広い空間を、スーパーワイドは少し歪みは出るけれどより広い空間を撮りたい場合によいでしょう。
魚眼レンズ「EXAPRO クリップレンズ フィッシュアイ」は画角210°、倍率0.52倍※で広い画角が球形に写ります。作例は、木に囲まれた場所で空に向かって撮影したものです。空や海など広い空間の撮影に向いていますが、ペットの顔などをアップで撮って丸くしてもユニークな写真になります。
マクロ、望遠レンズで被写体に迫る
「EXAPRO クリップレンズ マクロ」は焦点距離77mm※で、被写体に近づいて大きく撮ることができます。iPhoneの広角レンズ1.0倍で撮影した写真と比べると、マクロレンズを装着して撮影した写真の方が被写体が大きくなり、周囲のボケが出て被写界深度が浅くなりました。
スマホカメラの倍率を上げると、さらに被写体に寄って周囲のボケが強くなります。マクロレンズは、植物や昆虫など接写向きの被写体のほか、小さなアイテムの物撮りやテクスチャにフォーカスしたいときなどに活用できます。
「EXAPRO クリップレンズ 望遠8倍」は、名前の通り倍率8倍※の望遠レンズです。レンズの先の部分を回してピントを合わせます。
iPhoneの広角レンズ1.0倍で撮影した際には白い点のようにしか映らなかったものが、望遠レンズを付けて撮影するとユリカモメであることがわかります。スマホカメラの倍率を上げてさらに寄ると、表情も見えてきました。望遠レンズがあれば、スマホカメラでも野鳥撮影や遠方の建物などを撮れるようになります。
また、望遠レンズ単体で単眼鏡としても活用できます。ライブやスポーツ観戦などに携行しても役立つでしょう。
「EXAPRO クリップレンズ」の使用方法
「EXAPRO クリップレンズ」の装着方法は、とても簡単です。どのレンズにも共通のクリップが付属していて、クリップのレンズを付ける位置は上下にスライドします。
まずはクリップをスマホカメラのレンズ部分に挟み、スライドさせてレンズの位置を合わせます。この時、スマホカメラを起動し、クリップがレンズに被って画角の隅が黒くなっていないか確認しておきます。
機種によってスマホカメラのレンズが複数あるものもありますが、基本的にiPhoneの広角レンズのように標準レンズとなるものに位置を合わせます。他のレンズでも装着できますが、超広角レンズではケラレや歪みが出てしまうなど、クリップレンズとの相性の良し悪しがあります。レンズの位置を合わせたら、スクリューロックを回してクリップが開かないように固定します。
使用するレンズをクリップに取り付けます。「EXAPRO クリップレンズ」は、厚さ15mm以下で機器の端からカメラレンズの中心まで50mm以下のデバイスに対応しています。このサイズより大きいデバイスには正しく取り付けられません。購入前に、自身のスマホのサイズを確認するようにしましょう。
また、スマホカバーの形状によっては、クリップが止めづらかったり、クリップレンズがスマホカメラのレンズの中心に届かなかったり、ピントに影響が出てしまう場合があります。その際は、スマホカバーを外して使用してください。
スクリューロックをしっかり締めておけばクリップは動きづらいですが、強くぶつかるとレンズ位置がスマホカメラのレンズとズレてしまうため注意が必要です。
複数のレンズがあるスマホでは、撮影時に「EXAPRO クリップレンズ」を装着したのとは違うレンズが作動してしまうことがあります。別のレンズが作動した場合は、使用するカメラを切り替えます。iPhoneでは、写真の画面で倍率が「0.5」と表示されているのが超広角レンズ、「1」「2」が広角レンズ、「5」が望遠レンズになるので、クリップレンズを装着しているものをタップします。有料のものが多くなりますが、使用するレンズを指定できるカメラアプリを入れるとより便利でしょう。
「望遠」以外の4種のレンズには、レンズの表と裏それぞれにキャップが付いています。どちらも小さく軽いので、なくしたり風に飛ばされたりしないように注意してください。すべてのクリップレンズにキャリングポーチが付属しているので、外したらすぐにしまっておくと安心です。
まとめ
昨今のスマホカメラはそのままでも十分クオリティの高い写真や動画が撮れますが、「EXAPRO クリップレンズ」を使用すると、さらに多様な表現の撮影が可能になります。現時点ではワイド、スーパーワイド、魚眼、マクロ、望遠と5種類のレンズがあり、一眼レフカメラのように目的に合わせたものを選べます。
高価な一眼レフカメラを買うほどではないけれど、スマホカメラのレンズだけではカバーしきれない撮影をしたい、大きなカメラは重たいので軽量なスマホカメラで撮りたいという方にオススメです。価格も4千円弱〜5千円弱と手頃で、一眼レフカメラのレンズを購入するよりもずっと安価になります。
スマホ用のクリップレンズは100円ショップをはじめさまざまなメーカーから販売されていますが、カメラ用品を専門に手掛けるケンコー・トキナー製という点でも、品質への安心感があります。旅行など趣味の場面ではもちろん、SNSに掲載する商品撮影など、業務での写真撮影にも有用なクオリティで写せます。ただし、スマホの機種によっては適切に装着できない場合があるので、クリップレンズの購入前にしっかりサイズを確認する必要があります。
また、スマホ自体は対応していても、スマホカバーをつけたままだとクリップレンズが適切に装着できないことがあります。頻繁に使用する場合は、撮影のたびにスマホカバーを外す手間が負担にならないかも検討要素とするとよいでしょう。
※iPhone 16の広角レンズに取り付け時の倍率
- DATA
製品名:EXAPRO クリップレンズ
定価:ワイド、スーパーワイド、フィッシュアイ / 各3,980円(税込)
マクロ、望遠8倍 / 各4,980円(税込)
発売元:ケンコー・トキナー
公式サイト:https://www.kenko-tokina.co.jp/lp/exapro/clip-lens.htmlhttps://www.kenko-tokina.co.jp/lp/exapro/clip-lens.html
Amazon:ワイド https://www.amazon.co.jp/dp/B0FY2SK6D6/
スーパーワイド https://www.amazon.co.jp/dp/B0FY2ZH93P/
フィッシュアイ https://www.amazon.co.jp/dp/B0FY2WGBQN/
マクロ https://www.amazon.co.jp/dp/B0FY27GVGT/
望遠8倍 https://www.amazon.co.jp/dp/B0FY29C1GQ/
- 平田順子
- ライター・編集者
- 大学生時代より雑誌連載をスタートし、音楽誌やカルチャー誌などで執筆。2000年に書籍『ナゴムの話』(太田出版刊)を上梓。音楽誌『FLOOR net』編集部勤務ののちWeb制作を学び、2005年よりWebデザイン・マーケティング誌『Web Designing』の編集を手がける。近年はデジタルマーケテイング媒体での執筆が増え、クリエイターをはじめマーケターや経営者の方々の取材を手がけている。https://junkohirata.work/
2026.04.16 Thu