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アート/イベント

フランスの “国民的写真家” のロベール・ドアノーの没後30年の写真展「パリ郊外 〜城壁の外側〜」

2024.08.29 Thu

蝶々エリの子ども、サンドニ 1945年
©Atelier Robert Doisneau/Contact

2024年8月29日(木)から、フジフイルム スクエア 写真歴史博物館で、入館無料の「ロベール・ドアノー写真展」が開催されます。2部に分けて開催され、10月30日(水)までの第1部のタイトルは「パリ郊外 〜城壁の外側〜」です。

パリ郊外に暮らし続けたロベール・ドアノー

ロベール・ドアノー(1912〜1994年)は、フランスの国民的写真家とも称されるフォトグラファーです。1934年にルノー社に産業カメラマンとして入社し、1939年にフリーでの活動を開始しました。1951年にはニューヨーク近代美術館で開催された「5人のフランス人写真家」展の出品作家に選ばれ、1992年にはオックスフォード近代美術館で大回顧展が開催されています。今回の「ロベール・ドアノー写真展」は、没後30年を迎えるロベール・ドアノーの原点に迫る内容です。

ロベール・ドアノーは、パリ南郊外のジャンティイで生まれ、生涯を通じて郊外に暮らし続けました。かつてはパリを取り囲む城壁で隔てられていた “郊外” は、中心から疎外された貧困層や移民の暮らす場所であったそうです。8月29日(木)〜10月30日(水)の第1部では、1949年の初の写真集「パリ郊外」の作品が展示されます。

牛乳を買いに行く子供たち 1932年
©Atelier Robert Doisneau/Contact

内気な写真家のローライフレックスでの撮影

10代から働くことを余儀なくされていたロベール・ドアノーは、石版工の技術取得のため、パリのエコール・エスティエンヌで学びました。その後、19歳で写真家のアンドレ・ヴィニョー(1892〜1968年)の助手となり、1932年に念願だったローライフレックスを購入します。

ポプラ砦 1932年
©Atelier Robert Doisneau/Contact

上から覗き込む姿勢で撮影するそのカメラは、内気なドアノーには最適なものであったそうです。ローライフレックスで人との “十分な距離” を取りながら、彼はパリ郊外の風景を精力的に撮り始めました。決して恵まれているとは言えない人々の生活、その背景となった郊外の風景の写真は、1949年に写真集として出版されて “写真家ロベール・ドアノー” の才能を知らしめる重要な礎となります。

日曜日の朝、アルキュイユ・カシャン 1945年
©Atelier Robert Doisneau/Contact

今回の展覧会では、全紙・半切サイズなど、約30点のモノクロ作品を展示予定です。

小さなテラス、アルキュイユ 1945年
©Atelier Robert Doisneau/Contact

第2部は10月31日(木)からスタート

第1部の会期終了後、10月31日(木)〜12月26日(木)には、第2部を開催予定です。そちらの詳細は後日発表とされており、仮のタイトルとして「“永遠の3秒” の原点(仮題)」というものが発表されています。

会場のフジフイルム スクエア 写真歴史博物館は、貴重なアンティークカメラや富士フイルムの歴代カメラの展示に加え、歴史的に価値のある写真を展示する企画展を定期的に開催中です。写真の文化やカメラの歴史的な進化を知ることができ、今回の「ロベール・ドアノー写真展」をはじめ、190年を超える写真文化の変遷も楽しむことができます。

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■期間
第1部:2024年8月29日(木)~10月30日(水)
第2部:2024年10月31日(木)~12月26日(木)

■開催場所:
フジフイルム スクエア 写真歴史博物館
東京都港区赤坂9-7-3(東京ミッドタウン・ウエスト)

■問い合わせ先:
フジフイルム スクエア 写真歴史博物館
tel. 03-6271-3350
url. https://fujifilmsquare.jp/

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