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アート/イベント

ライゾマティクスが独自AIモデルの “再帰的な学習過程” を作品として提示している「recursive」展

2024.09.17 Tue

2024年9月14日(土)に、OMOTESANDO CROSSING PARKで「recursive」展が開始されました。真鍋大度氏・石橋素氏が主宰するライゾマティクスの展覧会で、「AIの再帰的な自己学習と創造性の進化」をテーマとした新作が発表されています。

実験的な試みを展開するライゾマティクス

ライゾマティクス(Rhizomatiks)は、技術と表現の新しい可能性を探求している “クリエイティブコレクティブ” です。研究開発の要素が強い実験的なプロジェクトを中心に、R&Dプロジェクトや作品制作を展開して、人とテクノロジーの関係を研究しています。

アーティスト/デザイナー/エンジニアで構成されているライゾマティクスの特徴は、ハードやソフトの開発からオペレーションまで、プロジェクトの全工程を手掛けていることです。外部のアーティストや研究者や科学者などとも積極的にコラボし、先進的な表現作品や研究を発表しています。

屋外と屋内の両方で映像作品などを展示

今回の展覧会では、現代アートギャラリー・KOTARO NUKAGA(東京都品川区東品川1-32-8 TERRADA Art Complex II 1F)で6月末から開催中の「Rhizomatiks Beyond Perception」で発表された独自のAIモデル「Beyond Perception Model」がさらに発展しています。

KOTARO NUKAGAで発表された「Beyond Perception Model」

屋内外で作品を展開する「recursive」展では、表参道の交差点に、大型LEDとその画面を映すカメラが設置されました。LEDはAIモデルが生成した結果を表示し続け、AIモデルはカメラに映し出される自己の姿を用いて、モデル自体を進化させ続けます。

「recursive」展の会場のOMOTESANDO CROSSING PARK外観
「recursive」展の会場のOMOTESANDO CROSSING PARKイメージ

室内での展示では、AIモデルの再帰的(recursive)な学習過程を観察できます。生成AIモデルは自己の生成データで学習を続けると「進化するのではなく逆に崩壊する可能性もはらんでいる」そうですが、本プロジェクトではAIの自己学習に人が介在することで、モデルの崩壊を回避しています。その全容を “作品” として展示する試みです。

「AIと生成芸術」の展覧会とあわせて楽しめる内容

本展を主催する「anonymous art project」は、若手から世界で活躍するアーティストやキュレーターまでを、東京の表参道と名古屋の栄から応援する新しいプロジェクトです。会場のOMOTESANDO CROSSING PARKでは、過去にも著名キュレーターをゲストに迎え、鬼頭健吾氏や毛利悠子氏などの気鋭のアーティストの展覧会を開催しています。今回の展覧会では、キュレーターに金沢21世紀美術館館長の長谷川祐子氏が迎えられました。

なお、KOTARO NUKAGAでの「Rhizomatiks Beyond Perception」も、10月14日(月・祝)まで会期が延長されています。生成AIモデル自体の作品化に挑んだそちらの展覧会では「AIと生成芸術」がテーマの作品が発表されており、「recursive」展とあわせて楽しむことが可能です。会期中には関連トークイベントなどの実施も企画されており、9月中に詳細の告知が予定されています。

「Rhizomatiks Beyond Perception」展示風景

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■期間:
2024年9月14日(土)~10月3日(木)

■開催場所:
OMOTESANDO CROSSING PARK
東京都港区南青山5-1-1

■問い合わせ先:
anonymous art project/KOTARO NUKAGA
url. https://rhizomatiks.com/

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