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「iPhone 16 Pro」は画面のサイズが大型化! 新たにA18 Proチップを搭載してカメラ機能も強化

2024.09.11 Wed

Appleは、日本時間で2024年9月10日(火)に開催したイベントで、iPhoneシリーズの上位機種の「iPhone 16 Pro」と「iPhone 16 Pro Max」を発表しました。9月13日(金)の21:00から予約注文の受付がスタートし、9月20日(金)から販売が開始されます。

画面サイズが拡大された「iPhone Pro」シリーズ

これまでは「iPhone 15」と「iPhone 15 Pro」、「iPhone 15 Plus」と「iPhone 15 Pro Max」がそれぞれ同じ画面サイズでしたが、「iPhone 16」ではこれらの関係性が変わりました。「iPhone 16/16 Plus」の画面サイズは据え置きですが、「iPhone 16 Pro」は6.1インチから6.3インチへ、「iPhone 16 Pro Max」は6.7インチから6.9インチへと大型化されています。なお、「iPhone 16 Pro」シリーズの登場に伴い、「iPhone 15 Pro」シリーズは現行ラインナップから姿を消しています。

「iPhone Pro」新モデルと前モデルのサイズ比較
 画面サイズ本体の幅本体の高さ本体の厚み重量
iPhone 16 Pro
【New】
6.3インチ71.5mm149.6mm8.25mm199g
iPhone 15 Pro
(直販終了)
6.1インチ70.6mm146.6mm8.25mm187g
iPhone 16 Pro Max
【New】
6.9インチ77.6mm163mm8.25mm227g
iPhone 15 Pro Max
(直販終了)
6.7インチ76.7mm159.9mm8.25mm221g

「iPhone 16 Pro」シリーズでは、本体カラーバリエーションにも若干の変更が加わりました。ブルーチタニウム色に代わって茶系のデザートチタニウム色が登場し、ブラックチタニウム/ホワイトチタニウム/ナチュラルチタニウム/デザートチタニウムの各4色で展開されます。

「iPhone 16 Pro Max」のストレージ容量は、256GB/512GB/1TBから選ぶことができます。「iPhone 16 Pro」ではそれらの3パターンに加え、128GBモデルの選択も可能です。

「iPhone 16」と同様にカメラコントロールボタンを新搭載

「iPhone 16 Pro」シリーズは、物理ボタンの構成がスタンダード機種の「iPhone 16」シリーズと共通のものになりました。「iPhone 15 Pro」から引き続き、「アクションボタン」「音量を上げる/下げるボタン」「サイドボタン」が用意され、新たに「カメラコントロール」というボタンが追加されています。

「サイドボタン」の下方に配置された「カメラコントロール」は、カメラの起動や写真撮影/ビデオ撮影を素早く実行できる操作系です。クリックするとカメラアプリが起動し、再びクリックすると写真撮影、長押しすると動画撮影ができます。

この「カメラコントロール」から撮影に関する各種の設定を開き、スライド操作で調整することも可能です。さらに、2024年秋のアップデートでは、軽く押すとピントと露出が固定され、押し込むことで撮影を行える2段階シャッターの機能も登場します。これはいわゆる「半押し」の操作で、iPhoneでよりデジタルカメラに近い操作感が実現されると考えて良いでしょう。

カメラシステムも強化され、背面カメラは48MP Fusion+48MP超広角+12MPの5倍望遠での構成です。広角レンズの刷新によって48MPマクロ写真撮影が可能となったほか、4K 120fpsのドルビービジョンのビデオ撮影や、空間写真/空間ビデオの撮影にも新たに対応しています。

「iPhone 16 Pro」シリーズでの撮影イメージ
 

カメラの強化などで実現されたクリエイティブな表現

そのほか、今回のAppleイベントでは、「iPhone Pro」がプロのクリエイティブの現場でも活躍する機種であることがアピールされ、さまざまな例が紹介されました。新しい48MP Fusionカメラはデータを2倍速く読み取れる第2世代のクアッドピクセルセンサーを備えており、高解像度のProRAWやHEIFの画像をシャッターラグなしで撮影できます。

「iPhone 16 Pro」シリーズでの撮影イメージ
 

ビデオ撮影の面でも進化を遂げており、製品発表会では映画の1シーンのような「シネマティックスローモーション」の撮影の例が紹介されました。4K 120fpsのスローモーションまたはビデオモードで撮影後、新しくなった写真アプリで再生速度の調整もできます。再生速度は100%(120fps)のほか、50%(60fps)、新たに追加されたオプションの25%(30fps)、20%(24fps)の選択が可能です。この再生速度コントロールにより、外出先での編集も手軽になります。

「iPhone 16 Pro」シリーズでは、オーディオ性能も向上しました。4つの新しい “スタジオ品質” のマイクを搭載し、「ボーカルやアコースティック楽器の録音に最適」とされています。ビデオ撮影中に、空間オーディオでの録音も可能となりました。機械学習との組み合わせで、背景音と人間の声を分離して扱い、ビデオ内での声の聞こえ方を3つのタイプから選べる「オーディオミックス」機能も利用できます。

オーディオミックス機能
フレーム内フレーム外の人物が話していても、フレーム内の人物の声だけをとらえるタイプ
スタジオ被写体が離れた位置でも、口元にマイクがあるかのように強調して聞こえるタイプ
シネマティック周囲の声を全てとらえてスクリーンの前方に集める映画用のサウンドフォーマットのようなタイプ

新開発のA18 Proチップによるパフォーマンス向上

「iPhone 16 Pro」シリーズには、前モデルのA17 Proチップに代わって、新開発のA18 Proチップ(6コアCPU/6コアGPU/16コアNeural Engine)が採用されています。第2世代の3nmテクノロジーで設計され、システムメモリ帯域幅が合計17%増加したことで、「生成AIの作業が得意」な機種となりました。

このスペックの強化により、6月の「WWDC24」で詳しく紹介された「Apple Intelligence」というAI機能では特に優れたパフォーマンスが発揮され、A17 Proより最大15%高速になるとされています。「Apple Intelligence」はiOS 18.1/iPadOS 18.1/macOS Sequoia 15.1で10月から順次に提供が開始され、日本語への対応はやや遅れて2025年となる予定です。

「Apple Intelligence」の活用例(文書の校正・要約ができる作文ツール)
 

帯域幅の増加はグラフィックス性能にも恩恵があり、GPUはA17 Proと比べて最大20%速く動作します。ハードウェアアクセラレーションでレイトレーシングを実行する速度がA17 Proと比べて最大2倍高速となり、ゲーム用途にも最適です。CPUはA17 Proとの比較で、同じ負荷の作業を20%少ない電力で15%高速に処理できると発表されています。

そのほかには、バッテリー駆動時間が延びたことも嬉しいトピックです。従来モデルとの比較では、下記の表の通りに強化されています。

 ビデオ再生ビデオ再生
(ストリーミング)
オーディオ再生
iPhone 16 Pro
【New】
最大27時間最大22時間最大85時間
iPhone 15 Pro
(直販終了)
最大23時間最大20時間最大75時間
iPhone 16 Pro Max
【New】
最大33時間最大29時間最大105時間
iPhone 15 Pro Max
(直販終了)
最大29時間最大25時間最大95時間

iPhone 16 Pro、登場 | Apple(YouTubeより)

* * * * * * * * * *

「iPhone 16 Pro」シリーズの主な注目ポイントは、画面サイズの変更とカメラシステムの強化です。ディスプレイは大型化されましたが、同時に「Apple製品の中で最も細いベゼル」によって製品自体の大型化は最小限に抑えられました。これまで以上に「iPhone 16」シリーズとの差別化が図られています。

「iPhone 16 Pro」の価格は159,800円〜(税込)で、「iPhone 16 Pro Max」は189,800円〜(税込)です。新しいAI機能を使いこなすためにはパワフルなデバイス性能が必要ですが、「iPhone 16」も基本性能が向上して「Apple Intelligence」対応機の仲間入りをしました。ディスプレイのサイズの違いでの使い勝手や、より高度なビデオ撮影の機能を必要とするか否かが「iPhone 16」と「iPhone 16 Pro」のどちらを選ぶかの大きな判断材料の1つとなりそうです。

Apple
URL:https://www.apple.com/jp/
2024/09/11

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