Appleが日本時間で2024年9月10日（火）に開催したイベントで、「iPhone 16」と「iPhone 16 Plus」が発表されました。9月13日（金）の21:00から予約注文の受付がスタートし、9月20日（金）から販売が開始されます。

新たなiPhoneのラインナップのサイズと色の比較

「iPhone 16」の画面サイズは6.1インチ、「iPhone 16 Plus」は6.7インチで、「iPhone 15」シリーズからの変更はありません。いずれもSuper Retina XDRディスプレイを採用しています。「iPhone 16／16 Plus」の筐体デザインはボタン周りやカメラシステムなどを中心に一新されていますが、本体サイズは「iPhone 15」と同じです。

一方、「iPhone 16／16 Plus」では、本体色の見た目はかなり変わりました。ブラック／ホワイト／ピンク／ティール／ウルトラマリンの各5色が用意されています。「iPhone 15」シリーズのカラーリングは、グレー味の強い淡くて落ち着きのある方向性でしたが、「iPhone 16」シリーズには、より彩度の高い活発なトーンが採用されています。

今回の新型の発売に伴い、「iPhone 13」など直販が終了した機種もあります。以下は新たな現行ラインナップのサイズとカラーバリエーションの比較です。

素早いカメラ制御が可能となる新たな物理ボタン

「iPhone 16」シリーズでは、「アクションボタン」と「カメラコントロール」という物理ボタンが追加されています。前モデルにあった「着信／消音」ボタンは廃止されました。

「アクションボタン」は、「iPhone 15 Pro」シリーズに搭載され、「iPhone 15」シリーズにはなかったボタンです。本体の向かって左側（音量を上げる／下げるボタン側）にあり、これまでの「着信／消音」ボタンの位置に配置されています。「アクションボタン」はデフォルトで「着信／消音」の切り替えが可能で、そのほかにも各ユーザーのカスタマイズによって多くの機能にアクセスできます。

新たに導入された「カメラコントロール」ボタンは、本体の向かって右側に配置されており、サイドボタンの下方にあります。クリックするとカメラアプリの起動、もう1度クリックすると写真撮影、長押しすると動画撮影といった具合にカメラ機能を制御できる物理ボタンです。軽く押すとズームなどのコントロールが開いたり、軽く2回押すと別のカメラ設定を選べたりもして、指をスライドさせるだけで設定の調整ができます。

後述のAI機能「Apple Intelligence」との組み合わせにより、「カメラコントロール」ボタンを押すことで、カメラを向けた対象物や場所について、詳しい情報を調べたりもできるようになるようです。発表会では、通りかかったレストランの営業時間を調べたり、ポスターに掲載されているイベントを自分のカレンダーに追加したり、街で見かけた犬の種類を特定したりといった例が紹介されていました。

この「カメラコントロール」ボタンはとても便利そうで面白いボタンだと感じましたが、SNS上などでは「新しいボタンを追加するくらいならTouch IDが欲しかった」という声も多く、一時は「Touch ID」がトレンドにも上がっていました。「iPhone 16」シリーズには、「iPhone 15」シリーズから引き続き、「Face ID」が採用されています。

マクロ撮影や空間写真にも対応したカメラシステム

カメラシステムも刷新され、背面カメラは48MP Fusion＋12MP 超広角の構成となり、レンズ周りのレイアウトが変更されました。48MP Fusionカメラは12MPの2倍望遠での撮影にも対応し、「1つで2つ分のカメラがあるようなもの」と紹介されています。

12MP超広角カメラはオートフォーカス対応で、マクロ写真の撮影も可能です。また、12MP超広角カメラは「iPhone 15」では絞り値がF2.4でしたが、「iPhone 16」ではF2.2となりました。より多くの光を取り込めるようになって、暗い場所でのさらに高画質な撮影が可能となっています。前面のTrueDepthカメラは12MP・絞り値F1.9の仕様で、「iPhone 15」から変更はありません。

さらに「iPhone 16／16 Plus」のカメラは、新たに空間写真や空間ビデオの撮影にも対応しました。撮影した空間写真／空間ビデオは、「Apple Vision Pro」で臨場感たっぷりの再生ができます。

「Apple Intelligence」を実行できる初のiPhone

今後のAppleの動向で大きく注目されているのは、AI機能の「Apple Intelligence」の導入です。「Apple Intelligence」は6月の「WWDC24」で詳しく紹介され、iOS 18.1／iPadOS 18.1／macOS Sequoia 15.1で10月から順次に提供が開始されます。ただし、日本語への対応は2025年となる予定です。

「Apple Intelligence」を活用すると、非常に多くの便利なAppleデバイスの使い方が可能となります。今回の発表会では「さっと書いたメモ書きの清書」「過去に撮影した画像をどのような内容かテキストで入力するだけで検索」「通知やメールのプレビューでの要約表示」「Siriによるパーソナルなサポート」などがあらためて紹介されました。

「Apple Intelligence」は基本的にオンデバイスで処理され、より複雑なタスクは特別に作られた「Private Cloud Compute」サーバ上で実行されます。「Private Cloud Compute」の使用時にも、Appleにユーザーのデータが保存されたり共有されたりすることはありません。

このような処理を実現するためには、デバイスに高いスペックが求められます。「iPhone 16／16 Plus」には、新開発のA18チップ（6コアCPU／5コアGPU／16コアNeural Engine）が搭載されました。

A18チップは第2世代の3nmテクノロジーで設計され、「iPhone 15」シリーズで採用されていたA16 Bionicチップより最大2倍速く機械学習を実行できると発表されています。システムメモリの帯域幅、CPUやGPUの処理速度と電力効率もそれぞれ向上しました。強力なA18チップを搭載した「iPhone 16」シリーズは、「Apple Intelligence」に対応する「最初のiPhone」となります。

iPhone 16、登場 | Apple（YouTubeより）

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「iPhone 16」の価格は124,800円〜（税込）、「iPhone 16 Plus」は139,800円〜（税込）で、ストレージ容量は128GB／256GB／512GBから選べます。「Apple Intelligenceのために設計」と発表されていることもあり、最新のAppleのAI機能をいち早く試したいユーザーには適した機種と言えるでしょう。

一方で、おそらく2025年以降に登場するであろう「iPhone 17」については、早くもRAM容量のさらなる増加などが予想されています。「Apple Intelligence」が遅れて利用できるようになる日本のユーザーは “買い替え” のタイミングには頭を悩ませることになりそうです。

Apple
URL：https://www.apple.com/jp/
2024/09/11