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アート/イベント

約500点の膨大な作品で創作活動を振り返る大規模な回顧展「田名網敬一 記憶の冒険」

2024.08.07 Wed

「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館 2024年 展示風景(撮影:山本倫子)

2024年8月7日(水)から11月11日(月)まで、国立新美術館にて「田名網敬一 記憶の冒険」が開催されます。国際的にも高く評価されているアーティスト・田名網敬一氏の大規模な回顧展です。初公開の最新作を含む約500点が展示されます。

精力的な創作活動を展開する田名網敬一氏

田名網敬一氏は、1936年東京生まれのアーティストです。武蔵野美術大学を卒業し、在学中にデザイナーとしてのキャリアをスタートさせて、その後は実験映像およびアニメーション作家、アーティストなど、ジャンルを横断した創作活動を展開しています。

近年の東京での主な個展には、2023年の「PARAVENTI: KEIICHI TANAAMI」(プラダ青山店)、2022年の「世界を映す鏡」(NANZUKA UNDERGROUND)などがあります。また、2022年のニューヨークでの「マンハッタン・ユニヴァース」(ヴィーナス・オーヴァー・マンハッタン)や、2019年のスイスとニューヨークでの「Keiichi Tanaami」(ルツェルン美術館/ジェフリー・ダイチ)など、国外でも多数の展覧会が開催されています。

橋をモチーフとした新作インスタレーション

今回の展覧会は、田名網氏の60年以上にわたる創作活動に迫る内容です。初公開の最新作も含め、約500点という膨大な数の作品が紹介されます。

本展のイントロダクションにあたる「0章 生と俗の境界にある橋」では、新作インスタレーションの「百橋図」が登場します。高さが約3.5mの作品で、橋が何重にも重なり合い、プロジェクションマッピングで投影された奇妙な生き物たちが歩き回っています。さらに、屏風型の新作コラージュも同時に展示されます。

“橋” は、田名網氏にとって重要なモチーフです。これまでにも、葛飾北斎の「諸国名橋奇覧」(1833〜1834年)や、幼い頃の遊び場であった目黒雅叙園の太鼓橋の絵、日本映画や演劇に登場する橋など、田名網氏は橋にまつわる不思議な逸話や歴史に強く関心を持ってきました。橋は田名網氏にとって “生と俗の境界” であり、“今生と死後の世界を隔てる存在” でもあると紹介されています。

豪華なコラボレーションも必見

そのほか、展示の見どころとして挙げられているのは「日本の戦後文化史と密接に結びついた作品」「増幅を続ける『記憶』」「変幻自在なコラボレーション」です。「日本の戦後文化史と密接に結びついた作品」に関しては、アンディ・ウォーホル(1928〜1987年)に影響を受けて制作された1965年の「ORDER MADE!!」シリーズをはじめ、戦後日本で展開されたカウンターカルチャーを物語る数々の作品が出品されます。

田名網氏は、現在もさまざまなコラボレーションを精力的に展開していることでも知られています。多くのファッションブランドやミュージシャンと協働し、ウルトラマンなどのキャラクターや生前交流があった漫画家の赤塚不二夫氏(1935〜2008年)とのコラボ作品も制作しています。本展では、田名網氏のデザイナーとしての活動にも焦点を当て、その仕事についても紹介されています。

Mattel Creations×Keiichi Tanaami
マテル社がバービー、UNO、マジック8ボールという3つの人気ブランドを “白紙のキャンバス” として田名網氏に提供
TTT –The Tanaami Tarot– by 集英社マンガアートヘリテージ
レンチキュラー印刷を採用した78枚の新しいタロットカード。一部のカードに赤塚不二夫氏とのコラボ作品が含まれる

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■期間:
2024年8月7日(水)~11月11日(月)

■開催場所:
国立新美術館 企画展示室1E
東京都港区六本木7-22-2

■問い合わせ先:
国立新美術館
tel. 050-5541-8600(ハローダイヤル)
url. https://www.nact.jp/

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