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テクノロジー

Adobe Photoshopの最新アップデートをチェック〜AI画像生成の機能なども一般提供がスタート〜

2024.08.06 Tue

「画像を生成」機能

Adobe Photoshopが2024年7月にバージョン25.11へとアップデートされました。今回の記事では、新たに追加された機能や強化されたポイントを確認していきます。これまでβ版での提供で注目されていた「画像を生成」機能も一般提供が開始されています。

AIでの画像生成の機能が正式に実装

Photoshopの最新版で正式に提供が開始された「画像を生成」は、Adobe Firefly Image 3モデルによる機能です。Photoshopデスクトップ版やPhotoshop Web版で利用できます。

この機能では、テキストでの説明文(プロンプト)から自動的に画像を生成してもらうことが可能です。利用の際には、まずツールバーやコンテキストタスクバーから「画像を生成」ボタンを実行して専用のウインドウを表示させます。

「画像を生成」のウインドウ

必要なビジュアルを文字で記述した説明文を入力し、コンテンツタイプ(アートまたは写真)やスタイルを指定して「生成」をクリックすると、自動的に画像が生成されます。比較的に軽快な動作で、サクサクと画像を自動生成できる機能です。

専用ウインドウには「参照画像」の欄があり、参考になる画像をアップロードして生成したいスタイルを伝えることもできます。また、あらかじめ「プロンプトのインスピレーション」というプロンプトのベースとして活用できるギャラリーも用意されています。

生成した画像の「ディテールを向上」する機能

Photoshopの最新版では「ディテールを向上」機能も利用できます。生成した画像は拡大すると細部がぼやけていたりすることもありますが、それを改善してクオリティを高めることができる機能です。この機能も先行してβ版で搭載され、今回正式に一般提供が開始されました。

画像の生成後には「プロパティパネル」に「バリエーション」が表示され、そこに「ディテールを向上」アイコンが表示されます。選択すると、元のバリエーションと「ディテールを向上」させたバリエーションの両方が表示されます。

「プロパティパネル」から実行

「ディテールを向上」で新たに得られるのは、よりシャープで繊細なバリエーションです。なお、この「ディテールを向上」機能は、1,024pixelよりも大きなバリエーションにのみ対応しており、それより小さいサイズである場合には「このバリエーションは小さすぎるため、向上できません」というアラートが表示されます。

「ディテールを向上」の適用前(左)と適用後(右)の例
 

柔軟に操作しやすくなる新しい「選択ブラシツール」

生成AIの機能のほかにも、さまざまな強化が行われています。Photoshopでの作業では選択範囲の作成がとても重要ですが、最新バージョンでは新しい「選択ブラシツール」も活用できるようになりました。ツールバーのなげなわツールグループから選んで実行できます。

「選択ブラシツール」は、ブラシとなげなわの両方の操作スタイルを組み合わせたツールです。そのほかの選択ツールと同様に動作しますが、選択範囲は色付きのオーバーレイとして表示されます。ただし、別のツールに切り替えたときには、通常の選択時と同じ状態(点滅する点線・Adobe社は “アリの行進” と表現)で表示されます。

なげなわツールのように周囲を囲うことでも領域の選択が可能
 

「選択ブラシツール」で操作する際には、選択したい領域を塗って指定するか、周囲を円で囲みます。必要に応じて、ブラシならではの「硬さ」や「不透明度」の調整も可能です。

マスクのように選択範囲の微調整に対応

「調整ブラシツール」などそのほかの主な強化

そのほか、今回のバージョンでは新しい「調整ブラシツール」も正式に登場し、画像の一部に対して非破壊的な調整を簡単に行えるようになりました。画像の選択/マスク/補正の適用といった従来の流れが1ステップにまとめられ、部分補正の方法が簡素化されています。

画像への直接の塗り調整で部分補正が簡単になる「調整ブラシツール」

また、テキスト機能も強化され、箇条書きや段落番号付きリストを簡単に作成できます。さらに、コンテキストタスクバーの機能拡張の一環として、シェイプや変形に関する設定が追加されました。線/塗りつぶしのカラーや線の幅・種類をコンテキストタスクバーから選択および編集でき、オブジェクトの回転や反転も素早く実行することが可能です。

テキスト機能の強化
コンテキストタスクバーの強化

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「画像を生成」の機能は以前から大きな話題となっており、「興味はあるけれどβ版にしか対応していないので使うのは面倒だ」と感じていた人も多いでしょう。最新バージョンでの一般提供がスタートしたことで、ようやく本格的に使いこなし始めるユーザーが増えることが予想されます。得られる結果はまだ完璧なものではありませんが、生成スピードが「思ったよりは遅くない」ことは好印象です。

アドビ株式会社
URL:https://www.adobe.com/jp/
2024/08/06

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