• はてなブックマーク
  • RSS
  • Line

アート/イベント

現代アートとのコラボで伝統産業の新たな魅力を紹介する「江戸東京リシンク展」

2024.02.28 Wed

2024年3月1日(金)から3月10日(日)まで、重要文化財 旧岩崎邸庭園にて「江戸東京リシンク展 -旧岩崎邸庭園でみる匠の技と現代アートの融合-」が開催されます。東京都・江戸東京きらりプロジェクトが主催し、公益財団法人東京都公園協会との共催で開催される展覧会です。

匠の技を新しい形で提案するプロジェクト

江戸東京きらりプロジェクトでは、江戸(東京)の伝統に根差した技術や産品などを新しい視点から磨き上げ、世界へと発信しています。「江戸東京リシンク展」のディレクターを務めるのは、現代アートの分野で活躍している舘鼻則孝氏です。舘鼻氏の創出プロセスである「Rethink(リシンク)」を起点とし、伝統産業の価値や魅力が新しい形で提案されます。今回は、展覧会がスタートしてから最長の会期で開催されることになりました。

舘鼻則孝氏(Photo by GION)

舘鼻氏は、東京藝術大学美術学部工芸科(染織専攻)を卒業した現代美術家で、卒業制作として発表したヒールレスシューズはレディー・ガガさんが愛用していることでも知られています。「Rethink」の概念の意味については、舘鼻氏は「簡略化して言うなら、途切れることなく続く日本の伝統、あるいは文化を、現代においてそのまま再現するのではなく、現代的な意味を加えて表現するということ」と語っています。

前年の「江戸東京リシンク展」で発表されたコラボ作品。舘鼻氏の代表作「ヒールレスシューズ」に東京くみひも 龍工房による正絹製の組紐を活用(Photo by GION)

歴史ある伝統産業事業者とのコラボ

これまでにも「江戸東京リシンク展」では、さまざまなコラボレーション作品が発表されてきました。

前年の「江戸東京リシンク展」で発表された「新江戸染 丸久商店 × 現代美術家 舘鼻則孝」のコラボ作品。注染(ちゅうせん)と呼ばれる染色技法を活用(Photo by GION)

今回も、伊場仙(江戸うちわ・江戸扇子)、宇野刷毛ブラシ製作所(江戸刷毛・東京手植ブラシ)、建松(江戸組子)、丸久商店(新江戸染)、龍工房(東京くみひも)といった伝統産業事業者が出展し、特別協力として金唐紙研究所(金唐革紙)も名を連ねています。

江戸刷毛・東京手植ブラシ 宇野刷毛ブラシ製作所
江戸組子 建松

新たに制作されたアート作品はもちろん、伝統産業事業者が保有する歴史的な資料も目にすることができる貴重な機会です。

会場の旧岩崎邸庭園にも注目

この「江戸東京リシンク展」は、会場にも注目です。重要文化財 旧岩崎邸庭園は、1896年(明治29年)に、岩崎彌太郎氏の長男で三菱の第3代社長の久彌氏の本邸として造られました。今では往時の3分の1の敷地となりましたが、洋館・撞球室・和館の3棟が現存しています。洋館は木造2階建て・地下室付きで、鹿鳴館の建築家としても有名な英国人ジョサイア・コンドル氏の設計による西洋木造建築です。

メイン会場となる旧岩崎邸庭園 洋館(Photo by GION)

館内の随所に見事な装飾が施され、繊細なデザインが見られます。別棟でコンドル設計の撞球室(ビリヤード場)は、当時の日本では珍しいスイスの山小屋風の木造建築で、洋館からは地下道でつながっています。洋館と結合された書院造りの和館は、当時の名棟梁の大河喜十郎氏が手掛けたと言われ、床の間や襖に日本画家・橋本雅邦氏が下絵を描いたと伝えられる障壁画などが残っています。

* * * * * * * * * *

■期間:
2024年3月1日(金)~3月10日(日)

■開催場所:
重要文化財 旧岩崎邸庭園
東京都台東区池之端1-3-45

■問い合わせ先:
東京都・江戸東京きらりプロジェクト
url. https://edotokyokirari.jp/

アート/イベントの他の記事

一覧を見る

読込中...

逆引き辞典逆引き辞典