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AIでデザインを生成する新機能「Magic Studio」とAI系アプリ
CanvaにはAIが自動でデザインを生成する「Magic Studio」という新機能が搭載されています。無料プランでも「Magic Studio」は利用できますが、すべての機能を利用するためには有料のプランに加入する必要があります。
Magic Studioには、例えば、短いテキスト入力で画像を追加、差し替え、編集(背景の削除など)が可能な「マジック加工」(無料プランでも試用可能)、デザインのサイズと形式を簡単に変更できる「リサイズ&マジック変換」(有料プランのみ)といった機能があります。以下がMagic Studioの主な機能一覧です。
Magic Studioの主な機能
機能名 | 説明 |
---|---|
AI動画生成 | AIで動画を生成できる機能。無料プランで試用可能。 |
Text to Image | AI画像生成機能。プロンプト入力で画像を作成できる。無料プランで試用可能。 |
Magic Edit | AIで短いテキスト入力で画像を追加、差し替え、編集が可能。無料プランで試用可能。 |
Magic Write | AIで適切な文章を作成できるようにサポートする機能。有料プランのみ。 |
リサイズ&マジック変換 | AIでデザインのサイズと形式を簡単に変更できる機能。有料プランのみ。 |
Magic Animate | AIでデザインにアニメーション効果を追加する機能。有料プランのみ。 |
Magic Morph | AIで文字や図形を簡単に変容できる機能。有料プランのみ。 |
Masic Grab | AIであらゆる画像を編集できる機能。有料プランのみ。 |
Magic Expand | AIであらゆる風景を生成および拡張できる機能。有料プランのみ。 |
Magic Studioは、Canvaの様々なツールを補強するためのAI機能です。こうしたAI機能はFigmaも力を入れている部分であり、日本国内においてもデジタル化・DXを支援するツールとして積極的に導入されはじめています。こうしたAIによるデザイン支援機能という領域においても、CanvaはFigmaの強力なライバルになる可能性があります。
※参照記事:【Figma CEOが来日】Dev ModeとAI活用で日本のデザイン、開発、DX領域にさらなる活性化を(PR TIMES)
また、AI機能に関連する機能としてマーケットプレイスから、サードパティーが開発したAIツールをインストールすることも可能です。例えば、次世代QRコードを作成できるツール(通常のQRコード作成は標準の機能として搭載済み)や、AIを使用してぼやけた画像を鮮明にするツールなどが提供されています。以下はマーケットプレイスか入手できるAIツールの一例です。
アプリマーケットプレイスから入手できるAIツールの一例
ツール名 | 説明 |
---|---|
Hello QArt | AIを使った次世代QRコードを作成できるツール。 |
PixelPerfect | AIを使って画像をアップスケールするツール |
Enhancer | AIを使って画像とサイズを調整するツール |
SpeedPaint | AIを使った早送りイラスト動画を作成するツール |
このように便利なAI機能ですが、一方で、現在の画像生成AI技術はクリエイターの権利や尊厳を侵害するとして問題になっています。Canva側もAIサービスに関する利用規約においてポリシーを示していますが、ユーザーの自己責任での利用ということになっており、Adobeが提供する生成AI機能であるFireflyのように「権利関係が明確な画像のみを利用したツールである」といった見解を示すまでには至っていません。ただし、AIデータのプライバシー設定により、ユーザーのコンテンツを使用してAIのトレーニング学習に利用することはないということも明確に述べられていますので、生成AIツールに反対の方であってもCanvaの利用自体(Magic StudioとサードパーティのAIツール以外)を避ける必要はないでしょう。
参照URL:Magic Studio(ページ下部の「AIのデータおよびプライバシー設定」)
もう一つ注意点として、利用規約には一部のAIサービスはサードパーティーのテクノロジーパートナーの技術を使用しているとも書かれている点です。これはLoRA(Stable Diffusionのモデル拡張機能)、LAION-5B、NAI、Midjourneyといった著作権侵害となる画像が含まれてる無断学習システムを利用した技術が含まれている可能性もあるということです。Canvaに限らず生成AIは、非常に便利で魅力的な機能に思えるかもしれませんが、現状はクリエイターの権利を侵害している可能性が高く、利用に関しては細心の注意が必要です。
本稿では画像生成AIの是非についてまでは言及しませんが、場合によっては企業のブランドイメージを傷つけてしまう可能性もあるので、これらの画像生成AI機能の利用ついては社内コンテンツなどに留めておくほうが賢明かと思われます。
2024.03.28 Thu