人感センサーを搭載し、近づくとオンになる家電製品は近頃すっかり一般的になりましたが、センサーを内蔵するとなると製造コストが上昇することもあってか、安価な製品に搭載されていることは稀です。また、そうした機能をあとから追加しようとしても、オプションが用意されていなかったり、割高なこともしばしばです。

そこで今回は、にわかに話題となっているダイソーから登場した「人感センサーケーブル」に注目しました。同製品はUSB給電で駆動するデバイスに取り付けることにより、手をかざすことで電源のオン・オフが可能になる製品です。ここではダイソーから販売されている「人感センサーケーブル」についてレビューしていきます。

本製品は、2股のケーブルを搭載しています。一方はUSB Type-Aのオス、もう一方はメスで、さながらUSB延長ケーブルのように、既存のUSBケーブルの先端に取り付けて利用します。2股の真ん中には人感センサーが搭載されており、そこに手をかざすことにより、本体に電力が流れます。これにより、その先につないだUSBデバイスの電源がオンになる仕組みです。

例えば、本稿で以前紹介したUSB接続のリボンライトの根元に取り付ければ、手をかざすだけでリボンライトを点灯させられるようになります。わざわざUSBコネクタを抜き差ししたり、物理スイッチを追加する必要はありません。

またUSB扇風機に取り付ければ、使いたい時にわざわざ物理スイッチをオンにすることなく、手をかざすだけで送風してくれるようになります（物理スイッチがオンの状態のまま固定しておける製品に限ります）。アイデアは無限大と言ってよいでしょう。

USBでさえあればどのような製品にでも対応するこの製品、驚くべきなのは、わずか330円であることです。汎用性が高いだけでなく、コストも安いのは非常に画期的です。

一方で、利用にあたってはいくつかの制限もあります。ひとつは流せる電流の上限が1A止まりということです。最近のUSB充電では3Aや5Aも一般的になりつつあり、1Aというのはかなり控えめです。実際のデバイスでいうと、USB扇風機を駆動させたり、手元のライトを灯すくらいが関の山です。

そしてもうひとつは通電時間で、人感センサーがオンになったあと自動的にオフになるまでの時間は、わずか1分間という制限があります。永遠に通電したままだと火災などのリスクがありますので、一定時間を経過するとオフになるというのは設計からして妥当ですが、時間を調整することもできませんので、用途はかなり制限されます。

とはいえ、例えば前述のリボンライトを戸棚の中に取り付け、扉を開いた時にだけ内部を照らすような用途であれば、点灯している時間は1分で問題ないでしょう。またUSB扇風機についても、風呂上がりの短い時間に強い風を浴びるといった用途であれば、数回手をかざして数分の運転時間を確保できれば、十分に役に立つはずです。

もっとも本製品は、こうした駆動時間や供給電力の制限を逆手に取って、使い道を探すこと自体を楽しむ製品と言えます。330円というリーズナブルな価格ゆえ、工作などにも適したこの製品、現時点で販売されているのはダイソーの中でも大型の店舗に限られているようですが、気になった人はぜひ探してみてください。
 

DATA

製品名：人感センサーケーブル
実売価格：330円
発売元：大創産業