第9回 Phase2 ブレストによるアイデア出しの進め方 - 思考するWebディレクション | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

第9回 Phase2 ブレストによるアイデア出しの進め方 - 思考するWebディレクション

2024.9.8 SUN

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Phase 2 ブレストによるアイデア出しの進め方

アイデアの発想には
調査資料を有効活用する

ここからは、アイデアの発想を実際に行っていくことを想定して、具体的な集団発想法を取り上げつつ解説していく。アイデアについて議論を行う手法には、3~8人程度で行う「ブレインストーミング(ブレスト)」やグループの話し合い結果を持ち寄って全員で討論する「バズセッション」などがある【4】。比較的少人数で作業を行うWebサイト制作では、おもにブレストによるアイデア出しが一般的だ。ブレストには批評や判断、否定をせず、とにかくアイデアを出し合うというルールがある。それでもアイデア出しに詰まってしまったときは、参考資料を用意しておき活用しよう。アイデア出しを補助する資料は、クライアントの競合他社や隣接業他社を比較対照として調べ上げ、参考にする。調べておくポイントはWebサイトのデザイン、レイアウト、ナビゲーション、色味、情報量、コンテンツ規模、目標ポイント、広告出稿状況、想定されるターゲットユーザー層、プラットフォームなどの項目だ。これらをデータとして収集し、比較を行っていけば有用な資料になる。他社との比較によって導き出されたアイデアは、新しいマーケティングプランの構築にもつながる。それだけでなく、アイデアそのものを再構築していけば新しい企画へと発展していくだろう。

参考資料の用途と
情報収集の範囲

参考資料はあくまでもアイデア出しに行き詰まったときの目安でしかないと割り切っておこう。例として、予算が限られた案件でクライアントの要望がブレてしまっている場合を考えてみる。コンテンツを充実させる方向で制作を進めるのか、ナビゲーションや操作性、インパクトなどに関するデザインを重視するのか、Webサイトではなく広告戦略に予算を投じるのか。このような判断に困ったときの比較材料として、参考資料を取り入れるのが理想的だ。また、Webサイトだけでなく他社のパンフレットやチラシ(時には名刺)などの紙媒体、PR映像や接客フローなどさまざまなものも参考資料になる。

Webサイトをつくるために
Web以外も視野に入れる

これまでも本連載で取り上げてきたが、Webサイト制作においてWeb以外の分野でのマーケティングを視野に入れて取り組むことはとても重要だ。Webの特質として、Webサイト側から何らかのアプローチを試み、ターゲットユーザーに認知されない限り、アクセスばかりかアクションが起こる可能性はほとんどない。「とりあえず出店すれば、だれかが利用してくれるはず」という神頼みようなマーケティング理論では、スタート地点にさえ立てない。ここが、マーケティングを行ううえでの究極のポイントといってもよい部分だ。Webサイトへの集客(スタート)から、コンバージョン達成ポイントへの誘導まで到達(ゴール)させるためには、インターネット広告はもちろんのこと、ほかの広告媒体への介入も必要になってくる。だからこそ、Web以外での調査も大切になるのだ【5】。
アイデア出しに必要な資料がそろったら、内容をカテゴライズしてそれぞれ対象を比較してみよう。比較シートをつくって、ありそうな度合いを検証するのもお勧めだ【6】。「ありそう度」が高いものに関しては、一般ユーザーが教育されている可能性があり、効果がすでに実証済みのマーケティングを導入しやすい。また、“ありそう”なものとは反対の“ありそうにない”アイデアを用いれば、ほかとの差別化になる。この「ありそうにない」アイデア発想についてはPhase 3で述べる。

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【4】ブレインストーミング(ブレスト)やバズセッションが定番のアイデア発想手法だ

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【5】Webマーケティングの基本フロー

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【6】比較シートを用いて“ありそう”な度合いを検証する

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