Phase 1 | Webディレクションにおけるスタッフィングとは |
スタッフィングとは
どのようものか?
「スタッフィング」という単語をご存じだろうか。Web制作業界に身を置く読者ならば、一度は耳にしたことがあるだろう。「スタッフィング」を簡易的に述べるなら、“職場にスタッフを配置すること”だととらえられる。本記事では、これをさらに細かくとらえ「プロジェクトに必要な人員の選出から最終的な成果物をつくり上げるまでの全工程」を表すものと定義しよう。Web制作案件におけるスタッフィングとは「(1)人員の選定」、「(2)人員の配置」、「(3)作業パートのアサイン(割り当て)」、「(4)作業内容の指示」、「(5)検収」の5ステップを通して行われる【1】。
ディレクションの性質を理解し
スタッフィングに臨む
スタッフィングを行ううえでの要点は「それを実行する者が自ら手を動かさないこと」と「他者を指揮することで作業効率を上げ、納品物の質をより高いものにすること」の2点に集約される。Web制作案件でスタッフィングを行う者とは、もちろんWebディレクターのことを指す。しかし、なかにはデザインやコーディングなどの作業を自ら手がける“クリエイター気質な”Webディレクターも存在する。そのような人は、ディレクタ-業務で高い評価を得る機会は少ないと考えてほしい。これは、「ディレクション」というものの性質に起因する。Webディレクションでもっとも重視されるべきなのは、クライアントの依頼を具現化するために「進行を管理すること」に尽きる。作業そのものに手をとられてしまっては本末転倒と言わざるを得ないだろう【2】。Webディレクターという肩書を持つ人間は、元Webデザイナー、元Webプログラマーというように制作出身であることが大半だ。かくいう筆者自身も制作出身である。「メールで指示するよりも、自分で手を動かしたほうが速い!」と考えてしまうことは多々あるが、ディレクター自らがその作業に加わっていては良い結果には結びつかない。現場の作業の流れを悪くするばかりか、そこにかかわってくるほかのクリエイターの成長をも止めてしまいかねないので注意してほしい。
ものづくりは掛け算で
クオリティを高める
ものづくりにおける鉄則は、かかわるスタッフの力を効果的に掛け合わせることだ。「クライアント」×「Webディレクター」×「クリエイター」の相乗効果を意識しよう。概念の話になるが、たとえばそれぞれのアイデアや技術を「10」とした場合、足し算発想では「10+10+10=30」にしかならない。しかし、掛け算発想で個々のアイデアや技術を掛け合わせると、時に結果は数倍に膨れ上がる。人と人との共同作業は足し算ではなく「掛け算」と考えることが、ポテンシャルを引き出していくために必要なポイントとなる【3】。
【1】「スタッフィング」を行ううえでのの5ステップ。
少なくとも人員配置だけをこなせばよいと言うわけではないことがわかる
【2】Webディレクターは制作物のクオリティを上げるために案件の進行管理のみに徹することが重要だ
【3】チームで共同作業を行うときは、個人×個人の「掛け算」発想でポテンシャルを引き出していく
[INDEX]
>>> Phase1 Webディレクションにおけるスタッフィングとは
>>> Phase2 スタッフの選定の際は双方向コミュニケーションを意識する
>>> Phase3 クオリティやスケジュールに直結する人員配置のルール
>>> Phase1 Webディレクションにおけるスタッフィングとは
>>> Phase2 スタッフの選定の際は双方向コミュニケーションを意識する
>>> Phase3 クオリティやスケジュールに直結する人員配置のルール