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第5回 現状把握とSEO施策 ~どのように調査を行うのか?

2024.6.27 THU

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第5回 現状把握とSEO施策 ~どのように調査を行うのか?


SEOを導入するにはまず、その後の方向性がぶれないように現状をしっかり把握する必要がある。現在の状況と問題点を調査により把握した上で対策を考える。これはリアルのマーケティングとまったく同様である。

サイトの現状と問題点を把握し、改善に向けての施策を練る際に、弊社で実施する手法を紹介しよう。

(解説:株式会社ディーオーイー コンサルタント 池松枝美)

DOEロゴ
[プロフィール]
株式会社ディーオーイー(DOE)●2007年1月より、ECJコンサルティング株式会社(ECJC)のSEMコンサルティング事業を統合。DOEでは、 数々の有効なネットマーケティング手法を定着させてきたECJCのサービスを、新サービスブランド 'DOE Search' として提供する。
http://www.doe.jp/
SEOに関するご相談はhttp://www.doe.jp/inquire/から。


施策を決定する際の2つの調査


弊社が施策方針を決定する場合、下記の重要な2つの調査によって施策を決定する。

●「調査A:検索エンジンでの調査」で、実際に検索エンジンで検索を行い、サイトの登録・表示状況を調べる。
●「調査B:ログからの調査」で、ログから集客の実績値を調べる。

【A:検索エンジンから現状を把握】

まずは、検索エンジンでの調査だが、ポイントとなる調査を3つ紹介する。この3つ以外にも様々な調査があるが、まずはこの3つをおさえていきたい。

調査のポイント

(1)どれくらいのページが、検索対象になっているか?
(2)サイトのコンテンツに関係のある語句で、上位に表示されているか?
(3)検索結果に表示されている内容が、読みやすいか?

(1)でページ数を調査するのは、SEOがサイトの全ページを対象に集客を行うマーケティングだからである。トップページだけに集客を行うのではなく、カテゴリや商品詳細ページに直接集客を行う。

パソコンショップを例に取ると、トップページで「パソコンショップ」、カテゴリページでは「プリンター」、「スキャナー」など、商品詳細では「ピクサス iP6700D」といったように、各ページ違った語句で集客をする。そのため、保有しているページが全て検索対象になることが望ましい(ただしSSLなどは除く)。

実際の調査方法は、コマンドとよばれる下記の関数を検索エンジンで検索する。

登録ページ数を調べるコマンド

Google allinurl:www.■■■.co.jp site:www. ■■■.co.jp
※得られる数値は多少違うがsite:www.■■■.co.jpのみを入力しての調査も可能
Yahoo domain:www. ■■■.co.jp site:www. ■■■.co.jp
MSN site:www. ■■■.co.jp

ただし、ここで少し注意しなくてはいけないのが、結果のページ数が正確な数ではなく、おおよその目安だということである。検索エンジンの更新があれば、数も変動もするし、ときどき整理されていないデータが混ざっていることもある。つまり、この調査で大切なのは、おおよその数を把握することと、商品詳細ページが登録されているかどうかを把握すること、の2点である。

商品詳細ページが登録されているかどうかを調べるには、そのページのURLを検索してみれば良い。例えば、
www.■■■.co.jp/printer_pixus.html
www.■■■.co.jp/pc_vaio_typeu.html
といったページのURLを検索エンジンで検索する。そして、通常の検索結果と同様、そのURLを含む結果が表示されれば、検索対象になっているということである。

(2)は、パソコンショップの例だと、実際に「パソコンショップ」、「プリンター」、「ピクサス iP6700D」などをYahoo!やGoogleで検索し、何位に表示されているのかを調査する。

(3)は、検索結果の内容が明確なものであるかどうかを調査する(別項にて詳しく説明)。

こうして、(1)(2)(3)の調査から問題点を把握し、下記のような施策を考える。

調査方法と施策決定

  目的 方法 実施する施策
(1) 検索対象ページを把握 ・コマンドを検索
・複数ページのURLを検索
・静的URLの保持
・リンク構造の設計 etc
(2) 上位表示状況を把握 ・複数語句で検索 ・キーワード設計
・リンク構造の設計
・HTMLの最適化 etc
(3) 検索結果を把握 ・複数語句で検索 ・HTMLの最適化 etc

【B:ログ分析で詳細な状況を把握】

検索エンジンの調査から施策の方向性をほぼ決定した後、ログ分析でさらに詳細な問題点を見つけ出す。

ログ分析では実にいろいろなことがわかる。例えば、どのようなサイトから訪問しているのか、どのような語句で訪問しているのか、どのようなページに来ているのか、どのくらいの人が購入行動に至ったのか、検索エンジンのロボットは訪問しているのか、など。

下記5つの調査によって検索エンジンの状況が分かる。5つの項目のポイントとしては、検索エンジンからの訪問状況を全体で把握することと、ロングテールの集客がどれだけ実現しているのかを把握することである。

調査のポイント


I 検索エンジンの割合
II 検索エンジン経由の入り口ページ
III 検索語句のリスト
IV 検索エンジンロボットの訪問状況
V 検索エンジン経由の行動到達率

上記の項目を調査することにより、[A:検索エンジンでの調査]の実証を行うとともに、新たな問題点を発見し、施策方針を決定する。

調査方法と施策決定

  調査項目の例 実施する施策
I ・各検索エンジンから人はきているのか?
・全体のどれくらいの割合の人が検索エンジンからの訪問か?
・静的URLの保持
・リンク構造の設計
・HTMLの最適化 etc
II ・詳細ページにも、検索エンジンから人は来ているのか? ・リンク構造の設計
・HTMLの最適化 etc
III ・商品詳細関連の語句で人は来ているのか? ・キーワード設計 etc
IV ・検索エンジンロボットは、訪問しているのか? ・リンク構造の設計 etc
V ・検索エンジン経由で訪れたユーザーは、鼓動を起こしているか? ・ランディングページの最適化 etc

目標設定を行ってから実施


このような方法で施策を決定した後、検索エンジン経由の訪問をどれくらい増やすのか、その達成時期はいつなのかなど、目標の設定を行う。

現状調査は時間がかかり、細かい作業ではあるが、施策を決定する上で必要不可欠なものである。ここで細かく施策を決定し目標を定めることができるか否かで、SEO施策が成功するかどうかを決定する。慎重に行いたい。 


次回につづく
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